地方教育政治に関する先行研究では、教育政策の決定の際に教育委員会が中心的な役割を果たすものの、首長および議会も関与し、大きな影響力を及ぼす場合があることが明らかにされてきた。 こうした中で本研究の目的は、鹿児島県を中心とする事例分析を行い、地方教育行政法の2014年改正後の地方教育政治において、教育委員が果たすべき役割を究明することである。同法の2014年改正では、教育委員の権限は縮小したものの、首長からの独立性は高まったと捉えることもできる。本研究を通して、地方教育政治において教育委員が政治アクターや教育長に対して「教育的価値」を主張することで、政策の有効性や民主性を高められるかを検討する。
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