研究課題/領域番号 |
23K02246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
田中 沙織 九州産業大学, 人間科学部, 准教授 (40548799)
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研究分担者 |
上村 眞生 西南女学院大学, 保健福祉学部, 准教授 (30530050)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 保育環境 / 身体のおかしさ / 後ろ向きコホート研究 / 情報技術 / ルーブリック評価 / 身体活動 / 可視化プラットフォーム |
研究開始時の研究の概要 |
保育者による幼児理解、保育内容、幼児の成育歴、幼児の生活様式、幼児の身体活動の実測値といった幼児の生活全般にまたがる様々な課題の要因や関係性に関して、これまでのデータ処理からは見えなかった課題を「保育における Society5.0 可視化プラットフォーム」を実現することで明確にすることを目的とする。さらには保育所保育指針(2018)に示される「学びに向かう力」の土台形成に向けて心身と発達を支援する方策を検討し、幼児の生活場面へ還元する。
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研究実績の概要 |
保育者が感じる「幼児の身体のおかしさ」について、保育者の暗黙知である「どこが」、「どのように」おかしいと感じているのかを幼児の成育歴との比較を通して言語化を試みた。 【研究1】4・5歳児クラスの対象児の1・2歳時の様子を知るために「後ろ向きコホート研究」を行った。調査は、H県内の5か所の保育施設の保育者19名を対象とし、特に保育者が感じている幼児の身体のおかしさについて、半構造化インタビューを行い、テキストマイニングにより「コホート研究記録用紙」を作成した。本用紙をもとに、対象群が1・2歳時の担任保育者が、当時の日誌や個別の指導計画を参考に回想し、当時の様子を記入した結果、1・2歳時点の姿と現在の姿に大きな変化はなく、保育者の困り感は同じであるという結果が得られた。さらに、対象群の幼児が抱える課題は個々で異なり、類似したいくつかのタイプに分けられたが全員の共通点は見いだせなかった。 【研究2】研究1の保育者19名の内9名の保育者により、コホート研究記録をもとに「幼児の身体のおかしさの要因」について、KJ法を用いて、①保護者の気持ちの安定、②家庭のしつけ、③運動・身体的特性、④生活習慣、⑤気持ちのコントロール、⑥主体性、⑦本人の特性、の7カテゴリー35項目で構成する「保育の環境とかかわりを考える読み取りシート」を作成した。 【研究3】研究2で作成した「保育の環境とかかわりを考える読み取りシート」を用いて、同5カ所の保育施設の1・2歳児クラスの幼児179名を対象として、担任保育者による読み取りシートを用いての評価を行った。その結果から、得点の低い幼児を各クラス2名、計10名抽出し、7つのカテゴリーの中で最も得点の低いカテゴリーについて重点的に関わった結果、それぞれの幼児において改善が見られた。 以上より本研究では、「幼児の身体のおかしさ」を上記の7つのカテゴリーで捉えることとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、保育者が感じる「幼児の身体のおかしさ」について、保育者の暗黙知を言語化する予定であった。これに関しては、当初計画していた研究手法だけでは困難であり、新たに調査を実施した。その結果、①保護者の気持ちの安定、②家庭のしつけ、③運動・身体的特性、④生活習慣、⑤気持ちのコントロール、⑥主体性、⑦本人の特性という7つのカテゴリーで捉えることが可能となった。 その他、2023年度は、海外の先駆的地域の視察およびオンライン情報交流を行う予定であったが、現地研究者との調整留まり、実現が叶わなかった。 また、「保育における Society5.0 可視化プラットフォーム」の構築に向けては、2023年度に収集したデータを蓄積していく。 そのため、全体の進捗状況としては、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、保育者評価、保育内容と幼児の身体活動実測値を用いた機械学習を実施予定である。この研究では、幼児の身体活動について、極軽量ウェアラブル端末の多軸加速度計を幼児に装着し在園時の身体活動量・強度を計測するため、機器類の調達・設定について、既に準備を進めている。対象は、H県内5か所の保育施設に在籍する3-5歳児で各園1か月ずつの計測を予定し、調整中である。同時に時間毎の保育内容記録、身体活動保育環境ルーブリック評価を保育者が行い、これらの関連性について機械学習を行う。ルーブリック評価票についても試作が完了している状態である。また、2023年度、保育者が感じる「幼児の身体のおかしさ」について検討する過程で、保育者の視点分析を行った。暗黙知の言語化においては、自身の子どもの捉え方を俯瞰的に知覚することで、一定の効果があったと考える。そこで、2024年度の「保育者評価」の一つとして採用できないか研究分担者と協議中である。 また、2023年度に実施できなかった海外の先駆的地域の視察およびオンライン情報交流については、現地研究者との調整を進めており、2024-2025年度にかけて複数地域にて実施予定である。 これらで得られたデータは引き続き、「保育における Society5.0 可視化プラットフォーム」の構築のためのデータとして蓄積していく。
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