研究課題/領域番号 |
23K02279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
永井 久美子 帝塚山大学, 教育学部, 准教授 (20615108)
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研究分担者 |
香曽我部 琢 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (00398497)
渡辺 俊太郎 大阪総合保育大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80434877)
水落 洋志 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (80634013)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 3歳未満児の保育者 / 連携・協働 / ソーシャル・キャピタル / ナラティブ分析 / 3 歳未満児クラス / 評価尺度 / 研修プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
3歳未満児クラスを担当する保育者(以降、未満児保育者)の専門性には、子ども一人ひとりの生命や健康の維持、そして個性や偏りをも十分に包含し、その個別性を尊重して保育を展開することが強く求められる。このため、保育の理念や目標、方法の共通理解とともに、子ども一人ひとりの共通理解のために、常に連携・協働を意識して保育をすすめることが専門性の根本にある。 以上のことから、未満児保育者に不可欠である「連携・協働」を評価する尺度を開発した上で、保育の質を高める力を育成する研修プログラムの効果検証を行う。
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研究実績の概要 |
より質の高い保育を展開する上で,保育者間による連携・協働に関して追究することは,重要な課題である。本研究は,3歳未満児を11年以上うけもっている保育者を対象に,同僚保育者との連携・協働の実相についてソーシャル・キャピタルの観点から特徴を明らかにすることを目的とした。この目的を達成するために,4名の保育者に調査協力を得て,半構造化インタビューを実施し,ナラティブ分析を行った。その結果,44件のサブテーマと24件のテーマを得ることができた。そして,テーマを分類した結果,同僚保育者と連携・協働する9つのストラテジー【A:子ども理解を深め合い、共に成長を喜び合う関係性】【B:日常的に行われる瞬間時間・短時間でのコミュニケーション】【C:困っているときに相談したり、相談に乗ったりするリレーションシップ】【D:園によって組織化された場での話し合い】【E:状況の変化に応じて能動的に対応し合う連動性】【F:決められた役割を果たし合う仕事仲間としての信頼関係】【G:情報を互いに提供し合い、確認し合いながら保育を進める結びつき】【H:保育のアイディアやポジティブ感情を高め合う互恵的関係】【I:ICT・機器を活用したつながり】を示すことができた。4名の保育者の園では,情報共有や役割分担が円滑に行われるネットワークが形成された組織のもと,信頼と互酬性のある同僚保育者とともに,保育実践における連携・協働が行われていることが示された。3歳未満児保育者の連携・協働の質を向上させるために,こうしたソーシャル・キャピタルの醸成を意識することが有用ではないかと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析や学会発表、論文執筆に関する作業は主にオンライン上で行い、成果を論文投稿・学会発表という形で公表する準備を推し進めた。
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今後の研究の推進方策 |
1年目前期~1年目後期にかけて、3歳未満児保育者の「連携・協働」に関する保育行為のマルチモーダル分析を行う、(調査1)また、3歳未満児保育者を対象に、「連携・協働」に関するインタビュー調査を行う。(調査2)調査1・2によって、「連携・協働」に関する3歳未満児保育者の暗黙知や意識・意味づけを明らかにする。
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