研究課題/領域番号 |
23K02280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
武田 信子 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (00247123)
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研究分担者 |
野井 真吾 日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)
鹿野 晶子 日本体育大学, 体育学部, 教授 (10759690)
吉永 真理 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (20384018)
野村 幸世 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70301819)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 乳児 / 新生児 / 身体発達 / おかしさ / 正常乳児 / 実感調査 / 実態調査 / 実践 / 発達 / コロナ禍 / 健常 |
研究開始時の研究の概要 |
乳児育児は家庭内で行われ,正常と思われている乳児発達に「おかしさ」があっても気づかれないことが多い。本研究では,1.専門家にインタビューを実施し「おかしさ」の実態を把握する。2.変化の原因と影響を探索するために,年齢,育児経験,情報源,環境等と,獲得している育児知識や技術等との関係性を調べる2つのアンケート調査を実施する。(A)乳児の養育方法に関する知識や乳児の要求への対応能力とその獲得プロセスを把握する。(B)養育環境やコロナ禍を含む近年の状況変化に伴う育児行動や心理変化を把握する。3.結果を公表し,乳児育児のマルトリートメント予防のアクションにつなぐ。
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研究実績の概要 |
2023年度の調査研究の目的は、近年の乳児発達のおかしさを乳児関係の専門家がどう実感しているかを明らかにすることであった。そこで①先行文献調査(図書購入等)、②実践家(助産師、保健師、子育て支援者等4名の研究協力者)へのフォーカスグループインタビュー、③実践家(小児科医、小児歯科医、小児整形外科医、保育士、育児工学研究者、おもちゃ研究者)への探索的インタビューを実施し、その結果を分析、検討した。多様な分野の専門家の状況を把握しようと、④乳幼児関連学会や専門職団体の状況(研究、人材、ネットワーク)把握のためのインタビュー実施も試みたが、調査そのものを「専門外であること」を理由に断られることが多く、限られた情報しか得られなかった。これらの結果から、医療者を含む実践家の中には実感としておかしさを感じ危機感を抱いている者がいるが、研究者や医療者のほとんどは、正常乳児の発達のおかしさにほぼ気づいておらず、先行研究もないことがわかった。また、多数の新生児、乳児に出会っている実践家は「おかしさ」を実感しているが、「最近の赤ちゃんはおかしい」と思っても、そのおかしさがどのような発生機序か、その原因が出生後のどのような養育環境にあるかを確認しようとはしていない。そこで、研究協力者あるいは分担者との協議により、日本体育大学が40年に渡って実施してきた児童の身体のおかしさ調査の方法を踏襲して、引き続き、研究協力者等を通じてより広く感度の高い実践家たちから「おかしさ」の実感調査を実施すること、そこから得られたキーワードをもとに、乳児に接触する頻度の高い実践家に対してアンケート「実態調査」を実施し、その結果を分析することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の調査により、1)定型発達の赤ちゃんに関する情報が少ない、2)学会等にヒアリングを依頼したが、情報提供可能な該当者が見つからなかった、3)研究設計にあたって参考にした日本体育大学の継続研究の初期の論文を確認した結果、実感調査に大きな意味があることを再確認したため、ヒアリング対象を研究者より外側に広げる必要が生じた。さらに1月から3月にかけて、研究代表者の体調不良が続き、研究の継続的実施が難しい状況であった。そのため、2024年度以降の研究計画を見直して、さらに継続して多様な対象に対するヒアリングを実施し、その結果をアンケートに反映する必要が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究協力者等を通じてより広く感度の高い実践家たちから「おかしさ」の実感調査を実施する。すでにインタビュー協力者のリストはできている。その後、インタビューの結果から得られたキーワードをもとに、乳児に接触する頻度の高い実践家に対して「実態調査」のオンライン・アンケートを作成、実施し、その結果を分析して、乳児発達の「おかしさ」を明らかにしていく。
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