研究課題/領域番号 |
23K02287
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
金井 智恵子 和洋女子大学, 人文学部, 准教授 (00611089)
|
研究分担者 |
太田 晴久 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00439366)
土居 裕和 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40437827)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 発達障害 / 女性 / 集団療法 |
研究開始時の研究の概要 |
高機能ASD・ADHDは、とりわけ女性においては、その症状が表面化しにくいため、障害が見過ごされやすく、誤診につながるケースが多く存在することが知られている。ASD・ADHD 者の社会適応・予後改善のため、ASD・ADHD の早期発見・早期介入の重要性が指摘されているが、全ての発達段階で発達障害を見極められる専門家は数が限られている。 本研究では、実験心理学・生理心理学計測と、機械学習を中心としたデータ・サイエンス的手法を併用し、ASD・ADHD のリスクがある患児・成人を客観的にスクリーニングするための診断補助アルゴリズム開発に取り組む。
|
研究実績の概要 |
本研究では、女性の発達障害に焦点を当てて検討を行う。まず、神経心理学的アプローチに基づき、ASDとADHDの性差を調査している。今年度は、被験者20名に対してWAIS-IVを実施したが、来年度にはサンプル数を増やし、より多くのデータを蓄積する予定である。傾向としては、ASDの方が、ADHDに比べて、処理速度の得点が低く、ワーキングメモリーの得点は高かった。ASDの協調運動とADHDのワーキングメモリーの弱さが関連している可能性がある。 次に、女性の発達障害を対象とした集団療法の計画を進めている。研究ミーティングを通じて、プログラムの構築や実験心理学・生理心理学的な測定のバッテリー、そして質問紙の検討を行う。計画が整った後は、倫理委員会への申請が通れば、昭和大学附属烏山病院において、10-14名のASD女性をリクルートし、集団療法を実施する予定である。女性の発達障害の集団療法の必要性は、次の通りである。①サポートの提供である。発達障害をもつ女性は、社会的な相互作用や人間関係の構築に課題を抱えることがある。集団療法では、他の参加者とのつながりを通じてサポートを受けることができる。②共感と理解の提供である。③スキルの向上である。プログラムの内容は、コミュニケーションスキルのトレーニング、感情理解とコントロールのトレーニング、ストレス管理技術の習得、自己肯定感の向上を中心に行う予定である。予測される治療効果は、参加者が集団療法を通じて上記のスキルや理解を獲得し、日常生活でより良い対人関係を築くことが期待できる。また、集団療法は参加者同士のつながりを深め、共感とサポートを受けることで心理的な安定感を得ることができるため、精神的な健康状態の改善にも寄与すると思われる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定よりリクルートに時間が必要だったため。現在発達障害の性差に関する研究が実施されており、発達障害の女性を対象にした集団療法も実施する計画を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
被験者60名に対してWAIS-IVを実施する。その後、傾向を確認するために、解析を行う。解析後に、結果をまとめて、海外の論文に投稿する。 また女性の発達障害の集団療法を実施する予定である。わが国では定量化された女性の発達障害の集団療法はないため、実施することにより、治療効果につながる可能性がある。その結果をまとめて、海外の論文に投稿する。
|