研究課題/領域番号 |
23K02292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
野口 紗生 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員 (60634277)
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研究分担者 |
上野 佳奈子 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10313107)
渡辺 涼子 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (70360203)
船場 ひさお 駿河台大学, メディア情報学部, 教授 (60511235)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 保育者 / 室の響き / 落ち着き / 音楽 / ワークショップ / 発達支援 / 音環境 / 療育 / 言語発達 / 聴覚過敏 |
研究開始時の研究の概要 |
言葉やコミュニケーション等の発達の課題や聴覚過敏等を抱える子どもたちの育ちの場である療育現場の音環境を整えることは重要課題である。音環境は言語・聴覚発達をはじめ療育に様々な影響を及ぼす要因であるにも関わらず、現場の音環境に着目した研究は少なく、また現場では言語等の発達支援や聴覚過敏の子どもへの対処法への関心は高いものの実践を取り巻く音環境への課題意識は持たれていない。そこで本研究では、音環境は療育にとってどのような意味を持つのか、そして実践者はどのように音環境の性質を理解し音の視点を実践に活かしていくのか、を調査することを通して、音環境を活かした療育実践の在り方を探求する。
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研究実績の概要 |
言葉やコミュニケーション等の発達の課題や聴覚過敏等の感覚特性のある子どもたちの育ちの場である療育現場の音環境を整えることは重要課題である。音環境は言語・聴覚発達をはじめ療育に様々な影響を及ぼす要因であるにも関わらず、現場の音環境に着目した研究は少なく、また現場では言語等の発達支援や聴覚過敏の子どもへの対処法への関心は高いものの実践を取り巻く音環境への課題意識は持たれていない。そこで本研究では、音環境は療育にとってどのような意味を持つのか、そして実践者はどのように音環境の性質を理解し音の視点を実践に活かしていくのか、を調査することを通して、音環境を活かした実践の在り方を、環境設定面、実践面の2つの観点から検討する。2023年度は、以下2点を実施した。 (1) 環境設定面:本研究の前段階で作成した吸音具合の異なる3種の小空間についての再実験を行った。吸音材が使用されていない室を利用する併行通園クラスに設置し、落ち着きづらいとの課題のある年中クラスを主な観察対象とした。遊びから集団活動への切り替えの際などに特定の子どもが使用する姿があり、加えて子どもが空間の特性を理解して選択している傾向も示唆された。 (2) 実践面:音に注目した活動への響きの効果を検討するため、園で招聘している音楽家を対象とした調査を実施し、音楽面、また子どもと共に音楽をつくるとの観点から、響きの持つ効果についての視座が得られた。加えて予備的調査として、視覚特別支援学校に在籍する教員1名、生徒1名(両氏とも先天盲)へのインタビュー調査も実施し、生活場面における音情報の認知と響きとの関わりについての知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に当たる2023年度は、現場での実践に向けての合意形成、音環境づくり(小空間)の効果検証、園の招聘アーティストとの協働など、現場での実践・調査については円滑に進めることができた。文献調査はやや遅れがあるが、2024年度以降に重点的に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した内容を踏まえ、(1) 取得したデータの分析:行動データ、インタビューデータの分析、(2) 文献調査:関連分野における先行研究の調査、(3) 音環境づくりの実践:2人用小空間など新たな目的を設定した環境づくり・効果検証、(4) 音環境を活かした実践方法の検討:招聘アーティスト・保育実践者と協働して響きに着目した活動の企画・実施に向け取り組む、(5) 成果発表:関連学会での発表・論文執筆、以上を実施する。
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