研究課題/領域番号 |
23K02318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
岩田 遵子 東京都市大学, 人間科学部, 教授 (80269521)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 小川博久 / 「遊び保育」 / 製作コーナー / 視線配布行動 / 遊びの安定性 / 操作空間 / 遊び保育 / 保育者の視線行動 / 幼児の遊び状況 |
研究開始時の研究の概要 |
「遊び保育論」(小川博久)は、保育者が実践において抱える困難(集団を相手にしつつ、一人一人を見取ること)を乗り越えるための「方略」を提案したものであり、実践現場においては一定の効果をあげてきたが、その有効性を示す研究は、ほとんど無い。本研究は、「遊び保育」の実践によって保育者が各遊びに視線を配布することによってクラスの全ての幼児の遊び状況を見取ることができ、適切な援助が可能となっていることを実証すると共に、保育者の視線配布が幼児の遊び状況に規定されると同時に、保育者が視線を向けることが幼児の遊び状況を方向付けていることを、「遊び保育」実践事例によって実証的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は小川博久の提案する「遊び保育論」に基づく保育実践(以下「遊び保育」実践)において製作コーナーを定位置とする保育者が各遊びに視線を配布することによってクラスの全ての幼児の遊び状況を見取ることができ、適切な援助が可能となっていることを実証すると共に、保育者の視線配布が幼児の遊び状況に規定されると同時に、保育者が視線を向けることが幼児の遊び状況を方向付けていることを、「遊び保育」実践事例によって実証的に明らかにするものである。 2023年度は、「遊び保育」ベテラン保育者と初心者の実践について、視線追跡装置を保育者に装着させ、比較分析を行った。その結果明らかになったのは次のことである。 1.ベテラン保育者の場合、保育者の視線配布行動は、幼児の遊び状況に影響されている。例えば、遊び状況が安定しない場合は、その遊びに対する援助の方策に主要な関心が向き、その遊びへの視線を配布する時間が多くなる。 2.ベテラン保育者の保育実践の場合、室内の全ての遊びの安定性は比較的高く、その要因として、保育者の視線配布も要因の一つとして考えられる。視線配布行動を含めた保育者の身体的構えによって構成される「操作空間」(志向空間)(A.Kendon)が、広く室内全体にわたる場合は、幼児たちはそれぞれの遊び場所から保育者の周囲に集まってしまうようなことはほとんどない。それに対して、「操作空間」が保育者の周囲のみで狭いと、幼児たちが保育者の周囲に集まってきてしまう(保育者の「操作空間」に入りたいと思っているためだと思われる)。 3.初心者の場合、製作コーナー以外の遊びの安定性が高くはなく、この要因の一つとして視線配布が自身の関与する遊びのみであることが挙げられる。しかしながら、この点に関しては、まだデータが十分ではないので引き続きデータを収集することが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
購入した視線追跡装置(Pupils社Neon)の調子が悪いため(録画が途中で遮断される、音声が録音されない等)。その都度、ディテクト(Pupils社Neonの日本代理店)に不具合を申告し、対応してもらっているが、2023年度は完全な解決に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1.「遊び保育」実践初心者の実践分析からは、代表者が想定してなかった状況が明らかとなった(保育者が、なぜ視線を配布するのかを理解していない等)。このような「遊び保育」実践初心者がどのようにして「遊び保育」の援助方略を理解し、それに熟練していくかというプロセスを明らかにすることが重要な課題となるので、この点について追跡調査を行う。
2.視線追跡装置(Pupils社Neon)は、ハードの交換とソフトのバージョンアップ等によって2024年5月末には、不具合が修正された形で手元に納品される予定であり、納品後はこれまでの美和こども園(あま市)に加え、由田学園(千葉市)でデータ取得を行う予定である。
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