研究課題/領域番号 |
23K02323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
秀 真一郎 吉備国際大学, 社会科学部, 准教授 (50514022)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 保育者による受容 / 効力感 / 自律的な変容 / 向上プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
保育現場において大きな課題とされる保育の質保証並びに早期離退職については、人的環境としての保育者の力量形成が必須であり、その中核に「保育者による受容」があると考える。そこで本研究では、養成期から中堅期における短期縦断的データから,保育者による受容における効力感を視点とした成長プロセスを推定することを目的とする。得られた縦断的データにより、心理的および実践的変容プロセスを解明し、保育職を目指す後押しや早期離退職の問題に対し,力量形成の側面からの支援について発信する。最終的成果として,すでに開発した支援プログラムを見直し、個に応じた自律的変容を促す支援や自己研修の手立てを提案する。
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研究実績の概要 |
保育現場における大きな課題とされる保育の質保証並びに早期離退職については、人的環境としての保育者の力量形成が必須であり、その中核に「保育者による受容」があると考えられる。子どもをいかに受け止めるかという保育者の力量は、実践の必要条件とされ、大前提とされてきた。しかし、保育者による受容を基盤とする保育は、各々の経験による判断に委ねられ、何ら方策が講じられることなく実践されている。そのため、保育の根底に存在する保育者の力量形成や資質向上における課題は、見通しのないまま解決には至っておらず、研究上も実践上も明確な対策が見つけられていない。 そこで本研究では、保育者による受容を視点とした、縦断的データによる養成期、初任期、及び中堅期の成長プロセスを推定することを目指す。養成期から中堅期に至る心理的および実践的変容プロセスを解明し、保育職を目指す後押しや早期離退職の問題への、力量形成の側面からの支援を探る。 今年度において、交付申請時に再度事前協議の場を設けた(交付申請時第三者評価)。文献整理、保育者受容効力感向上プログラム実施結果の検証を行った。その結果、実施後の保育者受容効力感は向上し、さらに向上した保育者受容効力感は1か月後においても持続することが明確となった。また、これまでの進捗状況と研究成果について第三者から徹底した評価を受けた(中間第三者評価)。本研究の不十分さや可能性が見える位置に第三者を置き、進捗状況と成果を繰り返し問い直すことで内実を高めた。実際に、保育者受容効力感から目指す姿の具体性についての指摘を受け, 一人一人の保育者がどのような保育者像を理想とすることで、自律的な変容がみられるかについて教示された。これは、本研究の本分である「保育者の成長プロセス」を推定するための大切な視点を得たといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度において、交付申請時には再度事前協議の場を設け(交付申請時第三者評価)、さらに、文献整理、保育者受容効力感向上プログラム実施結果の検証を行った。しかし、この検証を行う点に予想を上回る時間を要したことにより、進捗状況にいささか遅れが生じることとなった。保育者受容効力感向上プログラムの実施検証は、本研究における今後の方向性を左右する重要な指針となることから、データに対する検証を丁寧に行い、考察を様々な視点から行う必要があったため、今年度の大半の時間を費やす結果となった。その結果、保育者による受容を視点とした、養成期から中堅期の短期縦断的データの収集の準備・実施には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、養成期における保育者による受容を視点とする短期縦断的データ収集の準備・実施を行う。そこで、保育者志望学生の心理的及び実践的変容に関わるプロセスの解明を進める。同時進行として、現場保育者の初任期・中堅期における自律的変容に関わる要因を探るため、短期縦断的データ収集の準備・実施を行う予定である。
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