配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
研究開始時の研究の概要 |
メンタルヘルス問題の克服には, 自分の気持ちをセルフモニタリングできること, 助けを求める行動を発信し, 必要時に適切な支援につながることである. これら課題解決にギガスクール構想が貢献すると考えた. 児童生徒が所有する個別タブレット端末で認知行動療法(Cognitive Behavior therapy: CBT)の原理を搭載したセルフモニタリングアプリを実施することで, 子どもは自分の気持ちを俯瞰するスキルを獲得し, SOSを発信し, 適切なサポートへつながる仕組みを開発することを目的とする. ギガスクールを応用した次世代型の子どもメンタルヘルス支援システム開発を実施する.
|
研究実績の概要 |
本研究は、kodomo-CBTアプリを子ども達がギガスクール内で実施することで、メンタルヘルス課題に対する論理的思考の学習が向上することを証明することを目的としている。研究協力を得た2校に対して、認知行動療法の技法を搭載したkodomo-CBTアプリ(Webアプリ)を実施した。アプリは心の仕組みを知るレッスンパートと、気持ちをモニタリングするシートを作成するモニタリングパートから構成されている。279名の参加意思があり、プログラムを完遂したのは、212名であった。平均アプリ実施日数は42.9日。主要アウトカムはPHQ9AでQTA30を副次アウトカムとした。QTA30は、total score 以外に、身体症状、うつ症状、自己効力感、不安症状の下位スコアからなる。各々尺度のアプリ実施前後のスコアと有意差検定を示す。PHQ9A (6.3±5.5, 5.3±5.4, p<0.01), QTA30 total score (30.1±14.7, 28.1±16.6, p<0.05), QTA30身体症状 (42.0±9.7, 41.2±11.1, p=0.174), QTA30うつ症状(7.4±2.4, 7.4±2.4, p=0.709), QTA30自己効力感(14.1±3.4, 13.7±3.6, p=0.069), QTA30不安症状(12.6±2.7, 11.8±2.8, p<0.01)で、PHQ9A, QTA30 total score, QTA30不安症状に有意な改善を認めた。アプリ実施前のPHQ9A値が高いほど、作成シート枚数は有意に多く、PHQ9A値も有意に改善した。高うつ群、中うつ群、低うつ群いずれにおいてもPHQ9Aの有意な改善を認めた。kodomo-CBTアプリがメンタルヘルス課題の改善に有効であることがGIGAスクール構想を介した介入で実証された。
|