研究課題/領域番号 |
23K02332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
山本 奬 岩手大学, 教育学研究科, 教授 (90552612)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 自殺予防教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,学校における自殺予防教育が捗っていない理由について,①自殺予防教育実施に関する教師の躊躇など心理的な課題,②ストレスモデル等の理解など教師の技術的な課題,③実施後の個別対応で必要となる学校カウンセリングに関する技術的な課題の3点に注目し,これら教師支援上の課題を明らかにしようとするものである。 これについて,協力者(教師)を募り,教育プログラム作成・実施と,学校カウンセリングの演習と討論をとおして,実践的に追究し,これを基に教育プログラムの再構成を図るものである。
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研究実績の概要 |
2006年に成立した自殺対策基本法は,成人には有効であったが,児童生徒には効果がなく,その自殺数は増加している。そのため,2016年に改正された自殺対策基本法は,学校に「心の健康教育」と「援助要請行動」教育による自殺予防教育の実施を,新たに求めることとなった。今日,いくつかの教育プログラムの案が提案されているが,学校における自殺予防教育は捗っていない。 本研究は,その理由について,①自殺予防教育実施に関する教師の躊躇など心理的な課題,②ストレスモデル等の理解など教師の技術的な課題,③実施後の個別対応で必要となる学校カウンセリングに関する技術的な課題の3点に注目し,教師支援上の課題に焦点を当てたところに特徴がある。これについて,協力者を募り,教育プログラム作成・実施と,学校カウンセリングの演習と討論をとおして,実践的に追究しようとするものである。そして,これを基に教育プログラムの再構成を図るものである。本研究の成果は,学校における自殺予防教育の推進に寄与するとともに,これをもって児童生徒の自殺を防止しその自殺率の低下に寄与しようとするものである。 本研究を遂行するためには,研究協力者の確保が必要となる。一部の研究で不足があったが,おおむね協力を得ることができた。また,本研究を遂行するためには,自殺予防教育を実際に試行することが必要となる。これについても,当初予定した通りの実践を行うことができた。また,本研究の特質である心理的課題と技術的課題の弁別についても,これが可能であることが示唆されている。本研究は,現在,おおむね順調に遂行されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたとおり,協力者参加の下,教育プログラムを作成し,また,これを小学校と中学校の8クラスで実施した。この作成経験と実施経験を基に,各協力者が経験した心理的課題について,記述とインタビューの両方により,その情報を収集した。併せて技術上の課題についても同様に収集した。次年度もこの取組を継続し,データの収集を行う予定である。 学校カウンセリングの技術上の課題に関しても,予定のとおりの研修を実施し,その心理的・技術的課題の収集を行った。しかし,十分な人数の協力者を集めることができなかったことから,次年度,協力者の募集方法とデータの収集方法について,これを改善し実施することとした。 以上のとおり,データ量に課題はあったが予定の研究手続きを遂行できたことから,「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究1の教育プログラムの実施に伴う心理的な課題に関しては,これを次年度も継続することで,教師が自殺予防教育プログラムを実施する際に生じる不安など心理的な課題の構造を質的に明らかにする。併せて教育プログラムのねらいや校種及び経験年数など,活用上必要となる諸相を明らかにする。 研究2の教育プログラムの作成・実施上の技術的課題についても,これを次年度も継続することで,教師が教育プログラムを作成・実施しようとする際に必要とされるストレスモデルや援助要請行動に関する技術上の課題を質的に明らかにする。 研究3の学校カウンセリングの技術上の課題については,協力者の募集方法とデータの収集方法を改善することで十分なデータを得て,これを分析する。これにより,教育プログラム実施後に備えて,そこで必要となるカウンセリング技術上の課題を質的に明らかにする。併せて上と同様に諸相を明らかにする。 既に得られたデータで分析を試みたが,十分なデータが得られれば問題なく目的を達成できる見通しを得た。今後,分析を遂行する。
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