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センシングシステムを活用した手書きメモ取り過程と話の理解に関する実証的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23K02343
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関長崎大学

研究代表者

鈴木 慶子  長崎大学, 教育学部, 教授 (40264189)

研究分担者 劉 卿美  長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (00346941)
宮本 友弘  東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (90280552)
伊藤 弘大  青山学院大学, 理工学部, 助教 (90828807)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード話 / 理解 / 手書きメモ / 手書き / 書字 / メモ取り / 過程 / 話の理解
研究開始時の研究の概要

目的(1)「メモ取り過程センシングシステム」の開発:現在使用しているデバイスの長短をふまえて、本研究目的にカスタマイズしたデバイス並びにシステムを開発する。音声データ(発話音源)とメモ取り過程データとを同期させ、分析時にはそれらデータが紐付いて参照検索できるようにする。可能な限りシンプルで活用しやすいものをめざす。

目的(2)話を聞くときのメモ取り過程と話の理解度との関係の解析:小5生(長崎大附属)、中2生(同)及び大学生を対象にして、聞き取り時の手書きメモ取り過程を調査する。その際、事前に調査参加者の認知特性を調査し、話が理解できている者のメモとそうでない者のメモ取り過程の差異を明らかにする。

研究実績の概要

本課題の目的は、JSPS20K02916「書字基礎データ採取のための調査研究」の最終段階で開発したアプリケーションの活用並びに随時改良を行いつつ、日常の筆記場面、例えばメモ取りやノートテイクと内容理解との関連を検討していくことである。
初年度(2023年度)は、メモ取り自体の質的研究を行い、下記のような結果を得た。(1)メモ取りの有用性;小4生と中1生を対象とした話の聞き取りでは、メモ取りを強制しない環境下において調査参加者全員がメモを取った。このことから参加者の心理にはメモ取りが理解の助けになると有用性が形成されていたといえる。(2)手書きメモの類型;参加者の手書きメモの筆記状態を観察して下記のような類型を抽出した。逐語記録、非逐語記録[要点抽出、整理、構造化](3)手書きメモ類型の学年比較;逐語記録は、課題にかかわらず、小4生で2割弱見られ、中1生では全く見られなかった。要点抽出は、課題にかかわらず、小4生で8割以上にみられ、中1生では全てのものに見られた。整理は、課題にかかわらず、小4生で半数程度、中1生では8割程度見られた。構造化については、小4生でほとんどみられなかった。中1生では、難易度低課題では7割以上、難易度高課題では3割強であった。小4生では要点抽出のみのメモ取りに終わることがあるが、中1生では要点抽出にとどまらず、整理や構造化といった情報の精緻化作業が追加される傾向にある。(4)手書きメモと理解度との関連;参加者数が少ないため類推の域を出ないが、小4生では難易度低課題では、単なる要点抽出よりも、それらを整理したメモ書きのほうが理解を促進する。難易度高課題では、そうした整理だけでは理解を促進しない。さらに、中1生では整理だけよりも構造化が理解を促進しているようである。今後は、参加者の数を増やし、質的に異なる課題を用意して、メモ取りの類型を検証していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本課題では、JSPS20K02916「書字基礎データ採取のための調査研究」(提出時;2020~2022の計画、実際は~2023)の後継である。JSPS20K02916「書字基礎データ採取のための調査研究」はコロナ禍に翻弄され、当初計画していた海外調査を断念した。その代わりに、最終年度2022.12に当該課題に即応したアプリケーションの開発に着手し、2023.3~8試行調査、2023.9以降実際の筆記場面におけるアプリケーションの試行運用を実施した。
本課題の初年度では、当該のアプリケーションが常時安定して活用できる段階に至っていなかったので、それを随時改良しながら、聞き取り時におけるメモ取りの質的研究を推進していたから。

今後の研究の推進方策

筆記過程の追跡にカスタマイズした当アプリケーションを下記の点で改良していく。(1) メモ取りの質的段階を左右する要件を絞り込む。筆記速度なのか、筆記タイミングなのか、要点抽出の質なのか、整理の質なのか、構造化の質なのか等。(2)それを仕様に落とし込む。(3)操作性もシンプルにする。
その上で、話の聞き取りにおけるメモと理解との関係に関して、追究していく。
分担者である心理学研究者、デバイス研究者に加えて、アプリケーションに詳しい者に協力を依頼して、推進することとする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 聞き取りにおける手書きメモに関する考察(2)ー小4と中1の質的比較を中心にー2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木慶子、宮本友弘
    • 雑誌名

      九州国語教育学会紀要

      巻: 13 ページ: 1-10

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 聞き取りにおける手書きメモに関する考察(2)-小4と中1の質的比較を中心に-2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木慶子、宮本友弘
    • 学会等名
      全国大学国語教育学会 第144回島根大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 聞き取りにおける手書きメモに関する考察(3)-認知処理スタイルに着目して-2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木慶子、宮本友弘
    • 学会等名
      全国大学国語教育学会 第145回信州大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 書室

    • URL

      https://shoshitsu.com/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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