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探究的な対話を実現するための「言葉のティンカリング」に関する理論的・実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K02348
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関立教大学

研究代表者

渡辺 哲男  立教大学, 文学部, 教授 (40440086)

研究分担者 山名 淳  東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (80240050)
勢力 尚雅  日本大学, 理工学部, 教授 (80459859)
柴山 英樹  日本大学, 理工学部, 教授 (60439007)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード詩のティンカリング / 中動態 / 「造形遊び」 / 想起物語 / ティンカリング / 探究的な対話 / 共話 / 詩的な言葉 / トランスレーション
研究開始時の研究の概要

本研究は、道具や素材をいじくりまわして遊ぶ営為、すなわち図画工作科でいうところの「造形遊び」的な営為である「ティンカリング」を、プログラミング教育を補完するかたちで学校教育に導入するための理論的、実践的な研究である。対話者同士が、「言葉のティンカリング」によって、相手のメッセージの不定性を埋め合わせるような想像力をもつことができるのか、文学者や哲学者のテクストの読解に基づく理論研究、あるいは「書きながら考える」という実践を行うための理論的な準備を経て、学校現場に資するような教材開発を行う。

研究実績の概要

2023年度は、おおむね以下のような活動を行った。1)昨年度、本科研の採択前に研究メンバーで行った学会ラウンドテーブル報告の一部原稿化を行った。具体的には分担者の山名がカタストロフィの想起物語と国語教育に関する内容を発表した。2)本研究メンバーが以前より重要な概念として注目していた概念「中動態」に関わる新著が刊行されたことを受け、科研メンバーを含む報告者による合評会を行った。『芸術と共在の中動態』(萌書房)を刊行された森田亜紀氏ご本人をお招きし、科研メンバーより柴山、さらに関連するテーマを研究する若手研究者2名を招き、合評会を行った。芸術活動を行う上で「共在」する他者とはいかような存在たるものなのか、「言葉のティンカリング」を検討する上でも重要な視角から検討することができた。3)プラグマティズムの教育哲学、美術教育学研究者との交流を深め、とくに図画工作科教育における「造形遊び」と、本科研における中心テーマである「言葉のティンカリング」との比較考察を行い、その協働の成果の一部を発表した。具体的には、古屋恵太氏、清家颯氏(ともに東京学芸大学)と科研メンバーで研究会を行い、教育思想史学会大会において、古屋氏、清家氏が報告者、渡辺が司会のラウンドテーブルを企画した。4)国語科教育における「詩のティンカリング」に関して、その研究の第一人者をお招きして講演を行っていただき、ディスカッションを行うことで、「言葉のティンカリング」を学校現場に導入することの可能性と課題を共有した。中井悠加氏(島根県立大学)による詩のティンカリングの理論と実践に関する報告は、本研究の遂行において極めて示唆的な内容で、「詩」とは何かという根本的な問題、さらには「詩のティンカリング」を実践する授業者がいかなる学習者の成長を期待しているのか等、重要な検討を行うことが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本科研は国語科教育(教科教育学)領域への学術的貢献を企図した共同研究であるが、2023年度は、美学芸術学、教育哲学、美術教育学など、多様な領域の研究者との交流を行うことができ、この共同研究を進める上での課題を抽出することが出来たためである。

今後の研究の推進方策

2023年度の研究活動によって抽出された点は以下の通りである。1)「言葉のティンカリング」によって、学習者が思考を深める対話が可能になるという仮説に変更はないが、こうした学習活動を経験した児童生徒が、どのように社会参加する「主体」となっていくのか、「ティンカリング」によって学習者のいかような変容が期待されるのか、現時点では、一授業が楽しくあるための一可能性という段階であるが、いま少しマクロな視野からこの実践を検討したいと考えている。2)現時点では、個人でティンカリングを行い思考を深める、というレベルに留まっていて、他者との「言葉のティンカリング」による協働がいかように成立しうるかという点が考察し切れていない。研究者自身のフィールドから、あるいは、文学作品、映像作品などでかような協働が行われている場面などをてがかりにして、さらなる検討を進めていきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] カタストロフィの想起物語と教育─:二重の多声性の場としての国語教育に関する一試論2024

    • 著者名/発表者名
      山名淳
    • 雑誌名

      東京大学大学院教育学研究科紀要

      巻: 63巻 ページ: 325-333

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 一つの意味を伝えるのではなく、曖昧さを伝える言葉の方へ2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺哲男
    • 雑誌名

      Civil Engineering Consultant

      巻: 300号 ページ: 28-31

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] (コロキウム報告)近代仏教と教育をめぐる学説史的研究Ⅲ2023

    • 著者名/発表者名
      眞壁宏幹, マイケル・コンウェイ, 田中潤一, 渡辺哲男
    • 雑誌名

      近代教育フォーラム

      巻: 31号 ページ: 120-126

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] シンクレティズムとしての「修養」からの芦田恵之助・リマッピングの試み:「近代仏教」研究と教育学研究の交差を通して2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺哲男
    • 学会等名
      教育思想史学会第33回大会シンポジウム「近代仏教と教育:信仰・修養・教養
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 学校における遊びの思想史2023

    • 著者名/発表者名
      古屋恵太, 渡辺哲男, 清家颯, 西村拓生
    • 学会等名
      教育思想史学会第33回大会コロキウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 森田亜紀著『芸術と共在の中動態』合評会:本書から受け取ったこととお尋ねしたいこと2023

    • 著者名/発表者名
      柴山英樹
    • 学会等名
      科研基盤(C)「探究的な対話を実現するための「言葉のティンカリング」に関する理論的・実践的研究」第1回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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