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高校生の被援助志向性に経済・社会・文化的環境に対する認識がどのように影響するか

研究課題

研究課題/領域番号 23K02349
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関創価大学

研究代表者

田村 修一  創価大学, 教職研究科, 教授 (00442020)

研究分担者 Nishaat Aneesah  創価大学, 教育学部, 助教 (90962746)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード被援助志向性 / 環境に対する認識 / well-being / 楽観主義 / 高校生 / 主観的幸福感 / メンタルヘルス
研究開始時の研究の概要

青年期は、様々な問題を抱える時期であり、主観的幸福感が低下しメンタルヘルスを崩しやすい。困難な問題を解決するためには、積極的に他者に援助を求め、自身の問題の解決とメンタルヘルスを改善していく必要がある。
現在、被援助志向性に影響を与える環境要因の研究では、学校や職場の組織風土との関連の研究は多少みられるが、国レベルの経済・社会・文化的な環境要因との関連の研究は、皆無である。そこで本研究では、日本・インド・韓国の高校生を対象に、自国の環境要因(経済、社会、文化)についての認識が被援助志向性にどのような影響を与えているかを解明し、日本の中等教育における心理教育的援助サービスの新たな開発につなげたい。

研究実績の概要

本研究は、経済・社会・文化などの環境が異なる日本・インド・韓国の高校生を対象に、自国の環境要因(経済状況、社会のあり方、宗教や生活・文化)に対して高校生がどのように認識し、それが「被援助志向性」や「well-being」にどのような影響を与えているのか、国際調査を行い比較検討する。そして、それらの結果に基づいて、日本の中等教育における効果的な「心理教育的援助サービス」について議論し、新しいアイデアを創出することが本研究の目的である。
そこで本年度は、まず質問紙調査(量的研究)を実施した。日本・インドの高校生(各国:約 400 名)を対象に調査を行った。具体的には、各国において平均的学力を有する生徒を主な構成員とする学校に協力を求めた。使用した測定具は、①現実的楽観主義尺度、②well-being尺度、③社会観尺度、④被援助志向性尺度の4つの心理尺度であった。現在の進捗状況は、2か国の回収データを分析シートに入力している途中の段階である。まだ、統計解析には至っていない。
上記の作業と並行して、本研究のこれまでの予備調査データ(日本・インド)を用いて改めて統計解析を行った。その結果、well-being尺度の下位尺度(①達成感、②良好な人間関係、③心身の健康、④フロー、⑤ネガティブ感情の低さ)の値の比較では、①達成感、②良好な人間関係、③心身の健康については、インドの高校生の方が日本よりも統計的に有意に高かった。一方、④フローについてのみ、日本の高校生の方がインドより統計的に有意に高かった、⑤ネガティブ感情の低さについては、日本とインドに有意差はなかった。これらの結果から、総体的にはインドの高校生の方が日本よりwell-beingの程度が高いが、フローのみ日本の高校生の方がインドより高いことが分かった。フローを実感できる教育環境は、日本の高校生の方が恵まれているのかもしれない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画では、今年度中に3か国(日本・インド・韓国)の高校生対象の質問紙調査を実施する予定であった。しかしながら、現実にはインドの高校生については、比較的早い段階で調査協力校が見つかり、質問紙調査を実施できたが、日本・韓国の高校生については、なかなか調査協力校が見つからず、日本の高校生については、年度末にやっと質問紙調査を実施することができた状況であった。韓国の高校生については、質問紙調査を次年度に繰り下げて、調査協力校を見つけ次第、実施する予定である。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画では、1年目に質問紙調査の実施および量的分析の完了、2年目はインタビュー調査の実施および質的分析の完了であった。しかしながら、1年目の質問紙調査については、日本・インドの2か国の質問紙調査は終えることができたが、韓国についてはまだ質問紙調査が未実施の状態である。そのため2年目は、韓国の質問紙調査データの収集を急ぎ、日本・インド・韓国の調査データを用いて、量的分析を完了させたい。よって、インタビューデータの収集と質的分析については、3年目に延期する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 高校生の現実的楽観主義とwell-beingの関連―日本とインドの国際比較調査―2024

    • 著者名/発表者名
      アニーシャ・ニシャート  田村修一
    • 雑誌名

      創価大学教育学論集

      巻: 76 ページ: 99-112

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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