研究課題/領域番号 |
23K02394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
小八重 智史 宮崎大学, 教育学部, 講師 (90908477)
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研究分担者 |
鎌田 英一郎 長崎大学, 教育学部, 准教授 (00780735)
藤元 嘉安 宮崎大学, 教育学部, 教授 (40165428)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 技術科教育 / 社会に開かれた教育課程 / 授業デザイン / 産学連携 / STEAM教育 / 中学校技術・家庭科 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中学校技術・家庭科(技術分野)を対象に、社会に開かれた教育課程を実現するための社会と連携・協働する授業デザインを開発するために、「社会とのつながりレベル」及び「つながりの形態」に着目した授業デザインを開発し実践する。実践の蓄積から技術科における授業と社会のつながりを体系化し、効果的に資質・能力を育成することを可能とする「技術科における社会とつながる授業デザインモデル」を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は,社会との連携・協働する授業デザインモデルを構築することを目指し,研究チームが開発した「社会とのつながりレベル」に基づく授業実践からのボトムアップアプローチを計画している。2023年度は,「社会とのつながりレベル」に基づく各社教科書記述内容の分析し,日本産業技術教育学会全国大会にて口頭発表した(小八重,鎌田,藤元:「社会に開かれた教育課程」の視点から見た教科書内容の分析,日本産業技術教育学会第66回全国大会(鹿児島)講演要旨集,p.44,2023年8月)。 また,研究が進行する中で,「社会とのつながりレベル」の名称を「社会とつながる授業のステージ」と改善するとともに,研究成果を技術教育に関わる国際会議(ITEEA)にて発表した。そこでは,「社会とつながる授業の段階」について改善の余地がある旨のフィードバックを得ることができた(ITEEA Annual Conference STEM Showcase2023 Memphis,2024年3月)。 実践研究においては,ステージ2に該当するものとして,送配電事業者と連携した実践に関する論文を投稿し,再録された(小八重,藤本:中学校技術科における送配電を中心に据えた電力需給システム学習教材の開発,エネルギー環境教育研究第17巻第2号,2023年7月),また,ステージ4に該当する実践の予備段階として,キク農家と連携した授業を実践し,日本産業技術教育学会全国大会にて発表している(鎌田,谷本,小八重,木村:生物育成の技術におけるキクの教材化に関する研究-電照期間の違いがキクの花芽形成及び開花に及ぼす影響,日本産業技術教育学会第66回全国大会(鹿児島)講演要旨集,p.86,2023年8月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は,「社会とのつながりレベル」(改訂したため,以降「社会とつながる授業のステージ」と示す。)に基づく各社教科書記述内容の分析や,全日本中学校技術・家庭科教育研究会全国大会等の視察を中心に,国内の状況分析を進めることができた。加えて,国際会議(ITEEA)での発表の機会を持つことができたことから,本研究の理論の中核を為す「社会とつながる授業の段階」について国内外の視点から検討を重ねる機会を充実させることができた。また,申請時には,国際会議での発表は令和6年度を計画していたが,1年前倒しで実施することができていることも順調に進展していると判断する理由である。 授業実践研究の面では,「社会とつながる授業のステージ」の各段階における実践準備が進行中である。この実践を進めるにあたって,研究分担者と研究協力者の中学校教諭だけで検討することはできず,授業において連携する当事者と協働することが必要であることから,令和5年度から6年度にかけて授業構想や教材開発に必要であることは想定済みであり,申請時の計画通りである。このことから,この点においても概ね順調に進展していると判断できる。特に、B生物育成の技術パートでは、生産者であるキク農家に加えて種苗生産者との連携・協働体制の構築に至っており、この点については想定以上の進捗だと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,申請時の計画通りに進行していることから,大きく軌道修正する必要はないと考えている。一方,これまでの検討を進めてきた中で,研究の中核を為す「社会とつながる授業のステージ」について年度末に国際会議(ITEEA)で新たに有用なフィードバックを得たことから再度見直し,確定する予定である。また,確定した「社会とつながる授業のステージ」に基づく授業実践を展開していく予定である。特に,A材料と加工の技術に関わる内容では,木質材料製造業との連携・協働が進んでおり,スギLVL材の県内流通の方法等が整備されるほか,VR教材の開発に向けた三次元動画の撮影等が進行しているため,引き続き研究を進めたい。また,B生物育成の技術に関わる内容では,キク農家と連携した実践について原地生産者であるキク農家に加えて新たに種苗生産者との連携・協働体制が構築できつつある。他のCエネルギー変換の技術,D情報の技術についても連携・協働体制を整え,授業実践に向けて研究を進めたい。 一方,本研究では,中学校現場と社会を「つなぐ方法」についても検討してきている。現在は,直接アプローチする方法,各種業界団体を介する方法について検討を進めている。ここに各大学等に産学連携に関わる組織を活用する方法等,新たな視点を含めた検討を進めていきたい。
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