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多様なキャリアの初任教師教育者のセルフスタディ:教科の本質を教える困難さと専門性

研究課題

研究課題/領域番号 23K02407
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関群馬大学

研究代表者

粟谷 好子  群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (30965447)

研究分担者 石川 照子  三重大学, 教育学部, 教授 (00908543)
守谷 富士彦  桃山学院教育大学, 人間教育学部, 講師 (30908017)
小栗 優貴  京都教育大学, 教育学部, 講師 (20981484)
草原 和博  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40294269)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード教師教育 / 初任教師教育者 / 専門性開発 / セルフスタディ / 社会科教育 / 附属教員 / アートベースリサーチ / クリティカルフレンド / 社会科教育法 / 教科の本質
研究開始時の研究の概要

文献研究により、先行研究における①教師教育者の葛藤・困難はどのようなものか。②教師教育者はアイデンティティをどのようにとらえているか。③教師教育者の専門性開発にはどのようなものがあるか、を明らかにする。
チームのセルフスタディによる授業研究、カリキュラム研究とその変容を解明する。
国内外の社会科教師教育者の授業観察によって授業研究を行い、インタビュー等によって、カリキュラム作成の目的・意図・実践などや信念等を解明する。これらを通じて、「社会科の本質」を達成する授業実践が可能な能力を育成するための専門性を明らかにする。さらに学会でフォーラムを開催するなどして、新たなコミュニティの構築を目指す。

研究実績の概要

本研究は、多様なキャリアをもつ初任大学教員が、社会科教育の授業や研修改善を中心とした教師教育者の専門性開発を行っている。そのために各大学の社会科教育の担当者が、どのようなカリキュラムや研修を実践しているかを調査し、学生や現職教師に「社会科の本質」を達成する授業実践が可能な能力を育成するための専門性を明らかにすることを目的としている。
2023年度は文献調査として先行研究を整理した。同時に、月に1・2度のペースでオンラインミーティングを実施してセルフスタディを進め、各自が社会科教育法を授業するうえでの葛藤・困難を明らかにし、場合によってはその解決策を探究した。さらに各自の社会科教育法の授業資料をグーグルドライブ上で共有し、互いの授業を参観しあって意見交流を行った。
2023年度の成果は、①12月に『社会系教科教育学研究』第35号に、粟谷を第一筆者として「教員養成に携わる初任大学教員の障壁とその乗り越え方の事例研究」というタイトルで投稿し、掲載された。また、②10月には守谷を第一発表者とした5名で、日本社会科教育学会全国研究大会の自由研究において「初任教師教育者のセルフスタディ(Ⅱ)」というタイトルで発表した。
上記①では、附属中高教員が初任大学教員へのトランジションにいかに葛藤困難をかかえ、初等社会科指導法の授業を実践していったかについてキーコンセプトを解明し、他の初任大学教員への寄与・示唆も図った。上記②では、アートベースセルフスタディという方法論を用いて、大学での社会科教育法における模擬授業の目的についての葛藤を守谷が詠んだ短歌をメンバーで味わいあい、どのような背景からそのような短歌を詠むにいたったのか、意見交流しながら分析した。その結果、大学の組織人・研究者・教育者という3者の側面から葛藤が生まれることを解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調である。2023~2025年度を3期に分け、第1期2023年度までに、日々のジャーナルやインタビューの音声データなどを蓄積し、解釈・分析するオンラインミーティングが進んだ。これを基に学会で発表、粟谷を第一筆者として原稿化し、「教員養成に携わる初任大学教員の障壁とその乗り越え方の事例研究」というタイトルで投稿して採択され、『社会系教科教育学研究』第35号に掲載された。また、10月には守谷を第一発表者とした5名で、日本社会科教育学会全国研究大会の自由研究において「初任教師教育者のセルフスタディ(Ⅱ)」というタイトルで発表した。
本研究は、第1に各大学の社会科教育法担当者がどのようなカリキュラムを実践しているかを調査すること、第2に学生に「社会科の本質」を達成する授業実践が可能な能力を育成するための専門性を明らかにすること、を目的としている。前者に関しては、国内の大学教員を対象にした調査の進行中である。後者に関しては、中等社会科教育法では社会科が好きで得意としている学生が多いのに対して、初等社会科教育法では社会科が嫌いで苦手な学生も多数受講している中で、そのような学生にいかに社会科の本質を子どもに指導できる資質・能力を育成していくのか、オンラインミーティングを通じて解明を進めているところである。

今後の研究の推進方策

本科研では2024年度を第2期として、これまでのオンラインミーティングでのセルフスタディを継続し、上記③途中の成果を国内外で発表する予定である。初任大学教員の専門性とその向上の内実をこれまでの分析結果をもとに明らかにする。資料の公表として、セルフスタディを実践したメンバーが構築したカリキュラム・資料を、個人のホームページ上で公開する。研究の発展として、新たなコミュニティ構築に向かう。定期的にZoomで研究会を行い、新しい実践的フェーズ、すなわち専門性をいかに身に付けていくかというテーマに移行し、本研究を発展進化させる強靭なコミュニティを構築する。
具体的には、次の2つのテーマで研究を進める。1つ目は、研究分担者の小栗を対象者として「授業研究の助言者として、初任大学教員にはどのような葛藤があり、どのように乗り越えていくか」をセルフスタディによって明らかにしていく。2つ目は、研究分担者の石川を対象者として「教職大学院における教科教育と教科専門の連携においてどのような葛藤があり、どのように乗り越えていくか」についてもセルフスタディによって明らかにしていく。
第3期の2025年度はセルフスタディの継続し、初任大学教員の専門性とその向上の内実をこれまでの分析結果をもとに明らかにする。資料の公表として、セルフスタディを実践したメンバーが構築したカリキュラム・資料を、個人のホームページ上で公開する。研究の発展として、新たなコミュニティ構築に向かう。
実施するうえでの課題は、円安である。科研の予算で十分な日程が確保できるかが懸念材料である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 教員養成に携わる初任大学教員の障壁とその乗り越え方の事例研究 : 附属中・高校教員経験者による初等社会科指導法についてのセルフスタディを通して2023

    • 著者名/発表者名
      粟谷 好子, 石川 照子, 小栗 優貴, 守谷 富士彦
    • 雑誌名

      社会系教科教育学研究

      巻: 35

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 初任教師教育者のセルフスタディ(Ⅱ):教員養成系私立大学での葛藤「指導案づくり・模擬授業を社会科教育法にいかに取り入れるか?」の場合2023

    • 著者名/発表者名
      守谷富士彦, 粟谷好子, 石川照子, 小栗優貴, 草原和博
    • 学会等名
      日本社会科教育学会 第73回全国研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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