研究課題/領域番号 |
23K02430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 容子 筑波大学, 人間系, 准教授 (40738580)
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研究分担者 |
岩井 宏暁 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30375430)
伊藤 哲章 宮城学院女子大学, 教育学部, 准教授 (50735256)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バイオフィリア / 環境教育 / 生物多様性 / 環境倫理 / ネイチャー・ジャーナリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、学校の生物教育において、バイオフィリア(生命愛)を活性化し、ネイチャー・ジャーナリングの観察記録手法、および、生物多様性と植物生理とを関連づけた観察視点を踏まえた自然観察活動を取り入れた環境倫理教育プログラムの開発・ 実践を行うことで、児童・生徒の生物多様性の認識と理解の深化を促進することである。その目的の達成のため、生物多様性保全の動機づけを強めるバイオフィリアの理論と実践、環境保全への責任感の強化を促すネイチャー・ジャーナリングの理論と実践に関する調査分析、生物多様性と植物生理とを関連づけた自然観察方法の検討を行い、それらを踏まえて環境倫理教育プログラムの実践的検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、学校の生物教育において、バイオフィリア(生命愛)を活性化し、ネイチャー・ジャーナリングの観察記録手法、および、生物多様性と植物生理とを関連づけた観察視点を踏まえた自然観察活動を取り入れた環境倫理教育プログラムの開発・ 実践を行うことで、児童・ 生徒の生物多様性の認識と理解の深化を促進することである。 2023年度は、欧米において拡大しているバイオフィリアの活性化の原理、教育実践等の特質を解明するため、バイオフィリアに関連する諸概念に関する先行研究の収集・分析を行った。特に近年、欧米において広まりつつある、教育の「再野生化」を重視したWild Pedagogiesの概念に基づく環境教育の展開状況を解明し、その成果を日本理科教育学会オンライン全国大会にて発表した。また、小・中・高校生の発達段階に応じた自然観察記録手法の視点を明確化するため、2023年度は、特に小学生を対象として、児童の、植物の生命に対する認識・態度の実態を明らかにし、その成果を日本理科教育学会の関東支部大会にて発表した。そして、生物多様性と植物生理とを関連づけた観察視点の検討については、研究分担者の岩井准教授を中心として、植物の細胞壁ペクチンに関する研究が進められ、その成果の一部がバイオテクノロジーに関する学術専門誌にて発表された。さらに、バイオフィリアを活性化する自然観察活動を取り入れた環境倫理教育プログラム開発の第一弾として、身近な校庭の自然にて謎解きゲームを行いながら植物の多様性を観察する環境倫理教育プログラムを開発し、研究代表者が中学校理科授業にて実践し、生徒の自然に対する考え方に関するデータを得た。なお、授業開発にあたっては、サウサンプトン大学のMarcus Grace教授のもとに伺い、イギリスの環境教育実践の見学を行い、授業開発の助言をいただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バイオフィリアの理論、教育実践等の特質を解明するための先行研究の収集については順調に進んでおり、2023年度はバイオフィリアに関連する諸概念の一つであるWild Pedagogiesの概念に基づく環境教育に関する先行研究の収集・分析まで進ませることができた。また、生物多様性と植物生理とを関連づけた観察視点については、研究分担者の岩井准教授を中心として、植物の細胞壁ペクチンに関する研究が進められているが、それをどのように学校教育の理科の観察活動と関連づけるかについての検討はこれからである。そして、ネイチャー・ジャーナリングの観察記録手法の先行研究調査については、収集がまだ不十分であり、予定よりやや遅れている。 小・中・高校生の発達段階に応じた自然観察記録手法の視点を明確化するための児童・生徒の自然に対する認識・態度に関する実態調査に関しては、まず第一段階として、児童の実態を調査・分析することができたため、予定通り進んでいる。さらに、バイオフィリアを活性化する自然観察活動を取り入れた環境倫理教育プログラム開発に関しては、身近な校庭の自然にて謎解きゲームを行いながら植物の多様性を観察する環境倫理教育プログラムを開発・実践し、生徒の自然に対する考え方に関するデータを得ることができ、最終段階として目指すプログラム開発に資する重要なデータを得ることができたため、当初の計画以上に進展している。以上より、計画より速く進行している部分と遅れている部分があるため、総合的に判断すると、おおむね順調に進展している、といえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後もバイオフィリアの理論、教育実践等の特質を解明するための先行研究の収集・分析を継続して行い、2023年度に明らかにしたWild Pedagogiesの概念に基づく環境教育等との比較を通して、バイオフィリアを活性化する環境教育の特質解明を進める。また、ネイチャー・ジャーナリングの観察記録手法についての先行研究の収集・分析を進め、バイオフィリアを活性化する環境教育の方法論の検討を進める。また、2023年度に明らかにした、小学生の、植物の生命に対する認識・態度の実態に関して、幼小接続の生物学的思考を専門とする研究分担者の伊藤准教授とともにさらなる分析を進め、中・高校生の自然に対する認識・態度の実態調査も並行して進める。そして、生物多様性と植物生理とを関連づけた観察視点の検討については、研究分担者の岩井准教授とともに、生物の種内・種間の多様性と生命現象のメカニズムとなる植物生理とを関連づけた自然観察方法についての検討を進める。さらに、2023年度に開発した環境倫理教育プログラム第一弾の実践で得た、生徒の自然に対する考え方のデータの分析を進め、児童・生徒の生物多様性の認識と理解の深化を促進するための、本研究の最終段階として目指す環境倫理教育プログラムの枠組みを検討する。その際には、引き続き、サウサンプトン大学のMarcus Grace教授からの助言を得ながら研究を進める。
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