研究課題/領域番号 |
23K02433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小澤 基弘 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40241913)
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研究分担者 |
有原 穂波 目白大学, 人間学部, 専任講師 (50855442)
野村 亮太 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (70546415)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 中学生 / ドローイング実践 / 創造性育成 / 対話 / ドローイング / 表現と省察 / 自己理解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、実践を通して中学校美術科においてドローイング教育が果たす意味と効果を検証することを目的とする研究である。ドローイング表現が生徒各自の本来の自己表出に直結していること、その実践的蓄積を通して生徒の裡に「表現の自覚性」が獲得されていくことでその自覚性が自己理解とつながり、最終的には創造性の基盤となり得ることを、中学生のドローイング実践データ(作品ポートフォリオ、対話記録、学びの自己説明等)を制作学的視点・美術教育学的視点・認知科学的視点の3視点から検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は中学生のドローイング実践を蓄積していくことで、かれらの創造性に日々のドローイング制作とその振り返りがいかに資するものとなるのかを、研究代表者が実際の学校現場においてドローイング講習を重ねることで明らかにしていくことが目的である。科研初年度である本年度は、埼玉県上尾市のH中学校美術部に所属する中学生に対してドローイング講習会を6度行った。日々かれらが描いているドローイングを毎回持参してもらい、一人一人に対して研究代表者との対話形式で各自のドローイングについて対話をするという形態の講習会である。2023年6月、7月、11月、12月、2024年1月、3月の6回の講習会において、生徒たちとの対話はすべて録音し、また描かれたドローイングを画像記録した(事前に生徒及び生徒のPTAの了解を得て実施している)。約一年間の美術部員約20名(毎回参加人数は若干異なるが)が自分自身のドローイングに対して何をどう語るか、また描いたドローイングのイメージはいかなるものであり、それが毎回の対話によってどのように変化していくのか等々について一人一人記録して、各自のデータファイルを2023年度に作成した。また、それに加えて、生徒へのドローイング講習に対するアンケート調査を実施し、また2024年3月の年度最終回には自由記述による自身のドローイングに関する記述アンケートも実施している。次年度(2024年度)は、7月までこの形態の講習会を継続し、その後研究協力者と共にこれらのデータ分析に移行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3年計画で進めていくものであり、その約半分は学校現場で直接生徒たちと各自のドローイングについて研究代表者と生徒とが対話を続けていくなかで、生徒たちの創造性がどのように変容していくのかを探っていくという内容である。2023年度は6度のドローイング講習を埼玉県上尾市のH中学校で行い、対話録音や画像データを蓄積している。講習回数、そしてデータの蓄積については、当初の研究計画に従って順調に進められており、上記の区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に行ったドローイング講習における美術部員の生徒(約20名)に対する研究代表者と各生徒との対話録音データ、およびドローイング画像データ(全部で6回分)、アンケート調査、ドローイングに関する自由記述による感想、また2024年に行うドローイング講習の同様のデータとアンケートを、研究分担者と共に分析し始める。特に約1年間に及ぶ各生徒との対話内容の変遷、ドローイング表現の変容を、研究分担者それぞれの研究領域から分析していく(教科教育学、認知科学)。
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