研究課題/領域番号 |
23K02440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 秋田公立美術大学 |
研究代表者 |
毛内 嘉威 秋田公立美術大学, 美術学部, 教授 (70712769)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 人口減少 / 学校・家庭・地域社会 / 道徳教育 / 地域資源 / 地域創造学 / アウトリーチ / 地域を支える人材を育成する探求的な学習 / 探究的な道徳学習 / 地域の課題 / 探究的な学習 / プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
地方は過疎化や後継者問題が顕著になり、地域の存続そのものが危ぶまれている。子供の道徳性を育む地域社会が無くなり、学校・家庭・地域社会の連携を重視した道徳教育が展開できていない。これまで地域の素材を学ぶ道徳教育はあったが、地域の課題に向き合い、地域を支える人材を育成しようとする道徳教育は展開されてこなかった。「地域の存続」「学校・家庭・地域社会の連携」「地域を支える人材の育成」の問題を解決し、社会参画の意義や自己の生き方について考えを深める道徳教育を展開するために、アウトリーチという考えや手法を取り入れたアウトリーチ型の道徳教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
東北・北海道地方では、少子高齢化、人口減少、過疎化等が加速化し、地域が急速に失われ、学校・家庭・地域社会と連携した道徳教育が展開できなくなっている。学校教育において地域の素材を学ぶだけでなく、積極的に地域に関わって学んだり、地域の課題に向き合い解決しようとしたりする、地域を支える人材育成に焦点を当てた道徳教育が必要である。 住田町では、風土の中で培われて来た伝統や文化、恵まれた自然環境等の条件は、児童生徒が生まれながらにして親しみ、触れて来た貴重な学習材であるとし、地域資源を活用し、地域を学ぶことを通して社会参画の意義や社会と自分との関わり、そして自分自身の生き方へと考えを深めることができる「地域創造学」を小・中・高等学校に設立した。 この「地域創造学」を中核とした学びでは、「見通す力」「多面的・多角的に考える力」「提案・発信する力」「好奇心・探究心」「困難を解決しようとする力」を社会参画に関する資質・能力として挙げ、自ら学び、自ら考える力を高めながら、他者と協働して身近な地域社会の課題解決に主体的に参画し、地域の発展に貢献しようとする態度を育てようとしている。地域を学ぶことを通して、主体的に学ぶ意味と自分の人生や社会の在り方を結び付けたり、多様な人との対話で考えを広げたりする学習を重視し、生き方に直結する意味のある学習を展開している。 本研究では、児童生徒が地域に手を差し伸べる「アウトリーチ」という考えを取り入れ、地域の課題に向き合い・解決することを通して地域を支える人材を育成する探求的な学習を開発する。この探求的な学習と探究的な道徳学習を組み合わせた道徳教育プログラムを開発し、人とのつながりや絆を感じ取り、望ましい集団を形成しながら、広い視野に立って、自分の役割や地域への貢献について思考・判断し、実践していく態度や、よりよい自分自身の生き方を志向する心情を育てていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度の研究計画では、①住田町教育委員会管内の小・中・高等学校で実施している「地域創造学」の調査等をもとに地域を支える人材を育成する探求的な学習について調査・分析し、整理する。②道徳科の探究的な道徳授業モデルを本研究に適用するための改善点等を検討することが、予定されていた。 令和5年度、「地域創造学」の調査については、学校現場や教育委員会とZoomなどを利用したオンライン会議を開催したり、教育委員会と打合せをしたりして、調査や分析を行うことができた。また、「地域創造学」の取り組みを参考にしながら、地域を支える人材を育成する探求的な学習の調査についても予定通り実施し、研究を推進することができた。 ただ、道徳科の探究的な道徳授業モデルを本研究に適用するための改善点については十分研究を推進することができなかった。本研究は、授業実践であるため、対面での打合せが必要であったが、日程調整ができず実現することが難しかった。そのため、本研究に適用するための探究的な道徳授業の改善点まで十分に調査することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
地方は、過疎化や後継者問題が顕著になっており、限界集落、消滅都市が目前に迫っている。そのため、地域の存続が危ぶまれ、学校・家庭・地域社会が連携して道徳教育に取り組むことが難しくなっている。 子供一人一人が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、地域を支える持続可能な社会の創り手を育成するためには、どのような教育が必要なのか。地域の風土を生かし、自分の住んでいる地域を愛し、地域に誇りを持ち、地域を支えようとする心を育む道徳教育、そして地域を支える人材の育成をどのように展開していくべきなのかを明らかにする。 地域の課題に向き合い、地域を支える人材を育成しようとする視点から、「地域の存続」「学校・家庭・地域社会の連携」「地域を支える人材の育成」をテーマに掲げ、「アウトリーチ(手を差し伸べる)」という考え・手法を取り入れて道徳教育プログラムを組み、社会参画の意義や自己の生き方について考えを深める道徳教育を展開する。 道徳教育プログラムでは、①自分のよさや持ち味を発揮しながら、地域の素材である歴史、伝統、文化について学ぶ学習や、②地域(郷土)のルーツを調べたり、魅力を発見したりする学習、③地域を愛し地域に誇りを持てる学習、④地域資源を活用して地域の課題をリサーチする学習、⑤その課題に向き合い解決しようとする学習を設定することが、社会参画の意義とともに地域を支えようとする心を育て、よりよい生き方を志向し、地域を支える人材を育成につながるかを検証する。 これらを通して、地域を支える人材を育成する探求的な学習と道徳科の探究的な道徳授業モデルを組み合わせた道徳教育プログラムの開発をする。
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