研究課題/領域番号 |
23K02448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
栗田 昇平 大阪体育大学, 教育学部, 講師 (40759255)
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研究分担者 |
住本 純 神戸女子大学, 文学部, 講師 (80756106)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 体育授業 / 教師のナラティヴ / 社会文化的アプローチ / ライフヒストリー / 教師のキャリア / 体育授業研究 / 体育科 / 質的研究 / ナラティヴアプローチ / アクションリサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、協同学習モデルの適用が体育授業における授業者の意味の生成過程に与える影響を明らかにすることである。本研究では、2つの研究課題を行うことによって目的の達成を図ることとする。 1つ目の課題は、複数の教員の体育授業単元を対象に、参与観察及びインタビュー調査を行い、体育授業中に生起する諸事象に対する授業者の意味付けを「授業に対する評価」のナラティヴから記述し、「体育授業における意味の生成過程」を明らかにすることである。2つ目は、対象教員の行う授業に対して、協同学習モデルに基づいた授業支援を行い、授業者の体育授業において生成される意味付けがどのように変容するのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、体育授業における協同学習の適用とその展開のプロセスを授業者の意味生成過程のプロセスから明らかにすることである。本年度はその課題1に取り組む時期である。課題1とは、小学校又は中学校教員の行う体育授業単元を対象に、フィールドワークによる参与観察及びインタビュー調査を行い、体育授業中に生起する諸事象に対する授業者の意味付けを「授業に対する評価」のナラティヴから記述し、「体育授業における意味の生成過程」のモデルを構築することである。 本年度は当初の計画通り、課題1の取り組みの初期段階として研究対象者及び対象校を選定するために、小学校及び中学校においてラポール形成を目的としたフィールドワークを広く行った。 結果として、3つの対象校の候補が選定され、その中の1つの小学校において、小学校5年生を対象としたゴール型の体育授業単元の調査を行うことができた。また、その対象授業の授業者である教員に教師のキャリアの中で体育授業への考え方がどのように変容してきたか、その契機は何であったかについて、ライフヒストリー形式の半構造化インタビューを行った。この1つの研究をパイロットスタディとしつつ、調査の全体像の修正しつつ進めていきたい。 文献研究としては、社会文化的アプローチに関連した文献を収集し、教師の信念が他者やコミュニティとの関係性の中でどのように構築され、それが体育授業内の意思決定や行為としてどのように表出するか、また、その行為の結果をどのように意味づけるのかといったプロセスを説明できるモデルを探索的に設計している段階である。 次年度も継続して、対象校に対する調査を進めデータを収集していく過程と社会文化的アプローチを用いた理論的視座の確立を並行して行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はおおむね順調に進展しているとした。 この理由として、当初の予想以上の進展ではないが、事前に提出した研究計画と同様に、フィールドワークによる対象校の選定と研究データの収集が実現できたことがあげられる。フィールドワークについては、筆者の人脈を利用したスノーボールサンプリングの方式で行った。また、ラポール形成については、筆者がボランティアという形で体育授業支援授業に携わることで実現を図った。加えて、ボランティアとして体育授業支援に携わるということは、対象教師及びその授業を受ける児童にとって、筆者が異質な存在ではなく、日常的な存在になるという意図も含んでいる。 研究の進展が、予想以上とならなかったという課題点については、調査対象をさらに増やす必要性が出てきている点にある。対象校によっては学校人事の関係で、学校内における役割が変化したり、学校間の異動が起こったことにより、同一の対象校で調査が行えなくなった対象校が出てきてしまったため、そのような事態になっても研究の進展に問題が生じないように対象者を多く選定しておく必要性があることを実感した。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、現在、当初の計画通りに進展しているため、特別に推進するための方策は必要ない。ただ、対象校および対象者の事情により、継続的な調査が困難になる事態も想定できるため、フィールドワークを継続し、対象校及び対象者を増やしていきたいと思う。
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