研究課題/領域番号 |
23K02453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
川原 誠司 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (80302438)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 若手教員 / 教職レジリエンス / 過剰適応傾向 / レジリエンス / 教職ストレス / リアリティ・ショック |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「教職レジリエンスプログラム」の開発を行い,それにより「若手教員のストレス」を改善し,持続可能な職業人としての教職のありかたに寄与することを目的とする。心理学的な知見をもとに冷静な自己分析や自己内省能力等を促進することでストレスマネジメントの個人的特徴を把握し,その対処・処理方法の具体的設定ができるようになる教育プログラムを策定し,実践し,その効果を検討する流れで研究を進めていく。 養成段階から教職初期段階の移行期を円滑に乗り越える道筋を研究成果に位置付ける。流布される教職への否定的イメージによる過度の不安や懸念を適切に除去し,教師への志向を積極的に模索できるという社会的意義を持つ。
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研究実績の概要 |
まず,若手教員の教職レジリエンスを阻害する要因として,「過剰適応傾向」という心的傾向を想定し,大学生を対象に過剰適応傾向に関する質問紙調査を実施した。尺度構成に関して有意義な知見を得ることができ,2024年度の学会発表にて公開予定である。 文献収集も着実におこない,邦文献を中心とした若手教員のレジリエンスに関する先行研究をレビューし,レジリエンスの要素について考察した。2024年夏に発行する紀要論文に掲載予定である。 研究実施計画に記載した「教員養成課程での教職レジリエンスの意識に関する実態把握」については,質問紙を作成し,卒業間近の教員養成学部の大学4年生101名のデータを収集した。これについては第一報として簡易な分析を行う予定であるが,ただし,当初想定しているデータ数に達しなかったため,2024年度も研究を継続する。2024年度の卒業間近の時期に複数の大学でデータ収集を追加実施する予定である。 さらに,研究実施計画に記載した「若手現職教員を対象とした教職レジリエンスの聴き取り調査」については,面接方法を設定して,教職1年目の教員3名に対して年度末の3月に実施した。ただし,こちらも当初に想定したデータ数に達しなかったため,2024年度も研究を継続する。前段に記述した卒業間近の大学4年生に対してへ面接調査協力依頼をおこない,その協力者に対して2024年度末に同様の面接を追加実施する予定である。 上記に加えて,教師としての自己理解について,学校臨床に関する大学の授業においてグループワークを受講した大学生に対して,グループワークの印象や感想を尋ねる質問紙調査を依頼した。6名ほどの回答協力を得たが,これも想定していたデータ数には達しなかったため,2024年度も研究を継続する。2024年度に行う同授業においても同様のグループワークをおこない,質問紙調査を依頼する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質問紙調査や面接調査について,実際の質問紙の作成や面接調査の手順の作成については完了した。ただし,調査協力者をなかなか得ることができず。当初の研究計画で想定していた人数に達しなかった。研究倫理に関して細心の注意を払ったので,回答の任意性を尊重した結果でもあると考えている。 2023年度の研究においては,大学4年生への質問紙調査については,教員採用試験の合否が決まって,大学卒業が具体的に見える時期に実施している(「教職への不安」に関しては教員採用試験に合格するかどうか非常に大きいという先行研究があったため,採用試験の合否決定後から卒業までの間で実施する必要がある)。また,教職1年目の教員への面接調査については,就職して約1年が経過する3月に実施している。いずれも実施時期に関して,ある特定の時期を想定して依頼している。 2024年度の研究においても上記の実施時期を踏襲する必要があり,研究の進捗は遅れてしまうが,追加のデータ収集を着実におこなって,データ分析をしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
前述の【現在までの進捗状況】にも記載した通り,2023年度に計画していた研究のデータ収集が遅れているために,2024年度に引き続いてデータ収集をおこない,着実に完了させる。 当初の2024年度の研究実施計画に記載していた「若手現職教員を対象とした教職レジリエンスの(大規模)質問紙調査」については,前段の2023年度実施予定の研究知見を踏まえておこなった方がより適切と考えるが,その実施や分析を待つと丸1年ずれていくことになってしまう。収集した海外文献など知見整理を進めながら,年度内に実施していくか,1年遅らせるかの検討もおこなう。
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