研究課題/領域番号 |
23K02455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
野津 一浩 静岡大学, 教育学部, 准教授 (60708436)
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研究分担者 |
齋藤 剛 静岡福祉大学, 子ども学部, 教授 (60413259)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コンピテンシー[資質・能力] / 保健学習 / 保健指導 / 保健の見方・考え方 / 原則・概念 / ヘルスリテラシー / 保健科教育 / 見方・考え方 / 知識構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘルスリテラシーの形成は教科として学ぶ保健の授業づくりを議論するための重要な概念の一つである。 本研究では、ヘルスリテラシーの能力を形成する内的条件としての健康や安全に関する知識構造に着目する。そして、保健授業のねらいとして明示された保健の見方・考え方を鍛える視点から授業の構築を試み、実践を通して知識構造の変革によるヘルスリテラシーの高まりの様相を捉えることを目的とする。 本研究の成果は、学んだことを身近な生活に生かすことを目的とした保健指導的な授業を改革し、健康や安全に関する原則や概念を中核に据えて自ら考え判断していくことのできる力を高めるための保健授業のあり方を提示するものとなる。
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研究実績の概要 |
学校教育の教科における保健授業の学びが保健指導に傾倒しているという問題の実情を明らかにするための、教員への質問紙調査やインタビュー調査を実施するための予備調査を行った。近年の学会における保健授業に関する実践研究や学校の研究発表会等の保健授業実践の内容について検討した。その結果、保健授業は、健康や安全に関する内容を学び、学んだことを活用して健康課題の解決を考えるものであるという捉えに固定されている可能性が示唆され、いまだ内容主体の考え方に留まっているのみならず、その意識も低いことが捉えられた。そのため、ヘルスリテラシー(保健の見方・考え方)の解釈の足場を整えるために、すべての教科を貫く視点から整理されたコンピテンシー[資質・能力]の意味理解を深めるための研究を行い、構造化された知識へと知識の質を高めていくことによりものの見方や考え方を高度にしていくことが必要であることを整理した。 子どもたちの健康や安全に関する原則や概念の理解を深めることを目的とした保健授業の構想に取り組んだ。保健科の内容領域をもとに「健康や安全に関する原則や概念」を検討し、概念的理解を深めることを中核に据え、内容(具体的な文脈)は、概念的理解を深めるためのイグザンプルとして活用するものとして3年間のカリキュラムを作成した。単元の構成を「問い-仮説-検証-対話-納得解」とし、問いに対する自分の考えを広げ深める力を高めることを主目的とし、中学1年生を対象とした授業実践を推進し、授業におけるグループディスカッションにおける生徒の対話(発言内容)を記録するとともに、問いに対する考えの記述内容の収集を行い、その整理と分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教科として学ぶ保健授業の本質的な目的に関する解釈をヘルスリテラシーの視点から行うにあたり、コンピテンスを基盤とした教育について教科の枠組みを取り払った次元で検討し理解を深めることの必要性に気づくことができた。これにより、これまでの保健授業がどのような枠組みで形づくられてきたのかを明確に捉えることが可能となった。その眼鏡で保健授業を見ることにより、保健指導に偏っているとはどのような問題なのかと立ち止まることがなく、問題意識の遡上にほとんど上がってこないことを見出すことができた。 保健の見方・考え方を高度に働かせることができるようにすることがヘルスリテラシーを発揮することと捉え、その内実は知識の質を高めていくことと捉えることができた。 授業を実践いただく教員との健康や安全に関する原則や概念の理解(概念的理解)を深めるカリキュラム及び単元構成を検討し、具体的な実践を行うものを作成し、年間を通しての授業実践を推進し、生徒の対話記録や記述記録を収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
コンピテンスを基盤とした教育を足場に教科として学ぶ保健授業の目的を検討し、健康や安全に関する原則や概念の理解を深めることに伴って高められる知識(構造化された知識)を使って保健の見方・考え方を働かせることがヘルスリテラシーを発揮することと捉えられることを整理する。 保健の見方・考え方を働かせることを高度にしていく(資質・能力を高めていく)教育への転換を図るために、現在の学校における保健授業が保健指導に偏っているとはどのようなことなのかを検討し、そのことを問題として捉え意識化することの重要性を検討する。 健康や安全に関する原則や概念の理解を深める保健学習の授業実践を推進し、昨年度の生徒の対話や記述内容との比較によって、知識の質の変容についての分析を行い、系統的な学習を評価する。
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