| 研究課題/領域番号 |
23K02459
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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| 研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐原 理 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (80445957)
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| 研究分担者 |
石原 由貴 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 講師 (40938065)
石黒 千晶 聖心女子大学, 現代教養学部, 講師 (00814336)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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| キーワード | アファンタジア / 美術教育 / 創造性 / モダリティー / 多感覚アファンタジア / 多様性 / 神経多様性 / 共感覚 / Aphantasia / AI / イメージ形成 / 描画 / 多感覚 / インクルーシブ / Inclusive / Art Education |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究フェーズでは,アファンタジアおよびそれらに近似する状況のものに焦点化してその認知多様性を反構造化インタビューによって整理し,さらに発話内容をもとに近赤外分光法(Near Infrared Spectroscopy, NIRS)により脳機能の側面から認知科学的に明らかにする。その上で,美術教育上の表現や鑑賞における困難性を概略的に明示し,思考を視覚化するAIなどを用いたアプリケーションを実装し,個別最適化した指導法の開発を行いその有用性を検証する。
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| 研究実績の概要 |
2024年度は、Phase1で計画していたアファンタジアタイプのデータが不足していたため、再度募集を行い、600人規模のVVIQスクリーニングテストを実施した。これにより、おおむね当初の目標を達成しつつある。大学生を対象とした本研究では、VVIQスコア32以下のアファンタジア該当者は2.06%であり、Danceらや高橋らの3.7%~4%という報告よりも低い傾向が見られた。また、VVIQの分布は正規分布を示し、中央値は64と、先行研究の中央値(45~48程度)より高い結果となった。こうした差異の解釈は慎重に行う必要があるが、ファンタジア傾向の参加者は12名にとどまった。また、今年度は描画作業を伴う発話プロトコル分析と半構造化インタビューを、アファンタジア傾向の3名に加え、中位・高位のVVIQスコア群を対象に実施した。さらに、MTCI(The Multi-Trial Creative Ideation)とICAA(Inventory of Creative Activities and Achievements)を追加調査し、想起の特性と描画活動、創造的活動との関連を検討した。 その結果、VVIQスコア32前後のアファンタジア傾向者でも視覚イメージを用いて描画していたが、イメージの解像度は低く、概念的知識で補完しながら進めていた。特にスコアがより低い者では、視覚以外のモダリティを使って発想の飛躍を行っていると推察された。MTCIでは、アファンタジア群は描き始めに時間がかかり、空描きを通じて身体的な動きを手がかりにイメージを形成する傾向が顕著だった。ICAAでは、アファンタジア群は創造的活動への関与が少なく、美術に対する苦手意識が高いことが確認された。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
当初予定していたVVIQスクリーニングでは参加者数が不足しており、さらに大学生を対象とした調査ではアファンタジアの出現率が2%にとどまったため、実験に同意してくれる対象者を確保し進行するには時間を要した。こうした状況を補うため、参加者を募る期間中に実験デザインを見直し、創造性に関する調査をより深めるべく、新たにMTCIおよびICAAを導入した。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでの研究においては、アファンタジア群の中でも視覚イメージの境界域に位置する者と、完全に視覚イメージを用いない者とでは、創造性に関わる認知的プロセスに明確な差異が存在することが示唆されている。今後は、既存の実験データを一層精緻に分析するとともに、追加の参加者を募り、アファンタジア群内部における認知的および表現的特性の多様性を明らかにすることを目指す。あわせて、MTCIおよびICAAの結果を手がかりとし、美術教育における創造性および困難性がいかなる要因に起因するのかを検討する。その際、視覚イメージの鮮明度に加え、聴覚や身体感覚など他のモダリティにおける解像度にも着目し、多角的な視点からの分析を行う。さらに、美術教育における困難の背景については、対象者の語りを収集・整理し、社会的理解を促進するためのアウトリーチ活動へとつなげる。加えて、描画における認知的足場としての生成AIの活用可能性についても検討を進め、特に発達段階に応じたイメージ生成や創造性支援の方策について、具体的なシステム設計を視野に入れた検討を行う。これらの成果については、随時、国際的な学会および研究機関において発表を行い、学術的貢献を果たしていく。
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