研究課題/領域番号 |
23K02474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
石井 洋 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50734034)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 授業評価 / 授業観察 / 授業改善 / 授業研究 / 開発途上国 |
研究開始時の研究の概要 |
開発途上国では、教育の質的向上が目指され、授業研究や生徒中心型の教授法の導入等が行われてきている。しかし、これまでの開発途上国の授業研究は、その視点の多くが他国から取り入れた新しい教授法や教材等、外向きに偏っており、同僚教師との授業観の共有や生徒の授業評価をもとに授業改善をするという内向きの実践がほとんどなされていない状況にある。 そこで本研究では、教師たちが共通の授業観をもち、生徒の授業評価を捉えることによる授業改善の枠組みを構築し、その枠組みを基にした授業研究を行うことによって授業改善にどのような影響を及ぼすのかについて実証的に明らかにし、開発途上国における授業研究の方向性について考察する。
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研究実績の概要 |
これまでの先行研究では、授業研究の有用性が述べられており、肯定的な評価がなされる傾向にあったが、開発途上国においては授業研究の実践レベルでの課題も指摘され続けている。 そこで本研究では、開発途上国においても内省的な授業改善を可能とするため、教師がTRUフレームワークを用いた授業観察を行うことや、生徒の授業評価を取り入れ、それを授業改善に活かすという複視眼的な授業改善の実現を志向する。教師たちが共通の授業観をもち、生徒の授業評価を捉えることによる授業改善の枠組みを構築し、その枠組みを基にした授業研究を行うことによって授業改善にどのような影響を及ぼすのかについて実証的に明らかにし、開発途上国における授業研究の方向性について考察することを最終的な目的としている。 当該年度では授業評価につながる研究として、児童生徒の到達状況を把握するためのルーブリックや学習意欲を測定するためのアンケートを活用した実践研究を調査協力校にて行った。 また、児童生徒を対象とした授業評価アンケートを開発し、それを用いたパイロット調査をメキシコの小学校にて実施してきたが、結果を分析しまとめることができていないため、今後の課題となっている。 一方、授業改善に関わる研究の取り組みとしては、学習者中心の主体的な学習が展開できるよう日常生活や社会の事象に関わる探究的な学びのプロセスを取り入れた算数・数学科の実践研究を調査対象校で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生徒の授業評価アンケートを開発し、それを用いたパイロット調査は実施できたが、結果を分析しまとめることができていないため
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今後の研究の推進方策 |
まず、パイロット調査の結果を分析し、研究論文としてまとめ、学会で発表する。 次に授業観察指標を開発する。その際、各国の調査協力者とともに、教育政策を反映させることで現地化を試みる。そして、その枠組みを基にした授業研究を開発途上国(インドネシア、フィリピン、ラオス、フィジー、サモア、ザンビア、ナミビア等)の調査校において実施し、授業実践の変容、授業反省時の教師グループの談話に着目するなどして、授業改善への影響を分析する。授業研究参加者の授業改善の視点の生成につながらない場合には、授業観察指標を再構築することで精緻化する。 次年度以降には、今後の開発途上国における授業研究の方向性について考察する。他国での調査結果を情報共有アプリを用いて共有しながら、各国の調査協力者とともに、比較・検討していくことでまとめていく。
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