研究課題/領域番号 |
23K02478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
篠崎 正典 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80705038)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 成立期社会科 / 文部省指定実験学校 / 学習指導 / カリキュラム開発 / 学習能力研究 / 青木誠四郎 / 児童研究 / 成立期小学校社会科 / 教師の力量形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,成立期小学校社会科における教師の学習指導力の形成過程について明らかにするものである。具体的には,子どもの「学習能力の発達」を踏まえて社会科学習指導に取り組んだ長野県を事例に,長野県師範学校男子部附属小学校や文部省関係者の指導を受けて行われた社会科学習指導の展開過程とそれに関わった教師たちの学習指導力の形成過程を明らかにし,成立期小学校社会科において学習指導を可能にした要件について考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は,戦後初期に社会科学習指導に取り組んだ長野県を事例に,文部省関係者との関わりと文部省指定実験学校に指定された長野師範学校男子部附属小学校(以下,長野男子附小)と長野師範学校女子部附属小学校(以下,長野女子附小)の役割に着目して各学校で行われた社会科学習指導の展開過程とそれに関わった教師たちの学習指導力の形成過程を明らかにするものである。 本年度は,長野県内の教師たちの社会科学習指導の基盤の形成について,(1)長野男子附小と長野女子附小の社会科学習指導の基盤となった学習指導観の形成に関わる史料の収集と整理,(2)収集・整理した史料の分析,の2点に取り組んだ。主な成果は,次の通りである。(1)では,戦後初期の長野男子附小と長野女子附小で社会科学習指導に取り組んだ教師たちが戦前,戦中期から戦後にかけて発表した著書や論文,私史料,職員会誌,学校日誌等を収集し,史料の複写とデータ化を通した整理を行った。(2)収集した史料の内容について,文部省/CIE,県内の教育会,長野県内の小中学校との関わりを通した情報摂取,教師自身の学問遍歴等を踏まえて分析した。その結果,子どもの実態,とりわけ,子どもの「学習能力の発達」に基づく学習指導のあり方を目指す教師の姿を確認できた。教師たちは,文部省/CIE協賛の各講習会小学校や県内の各講習会(新教育研究協議会,実際教育研究協議会等),文部省関係者の指導等から社会科関係情報を摂取して毎年の研究会(初等教育研究会,学習指導研究会)や『学習指導の手引き』の発行を通してその考えを発表し,県内各地で指導に当たっていた。同時に,長野男子附小や長野女子附小離職後は着任した公立学校においてさらに社会科学習指導を模索する教師の姿も確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
戦後初期の長野県で,社会科学習指導に取り組んだ教師に関わる新史料を含む著作,論文,実践記録等を収集し,複写とデータ化を行ったことで,戦前期からの社会科学習指導の基盤の形成の一端が明確になったことによる。同時に,次年度の研究課題である長野県内に与えた影響に関わる史料も発掘できたことで研究の見通しが立てられた。
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今後の研究の推進方策 |
長野男子附小,長野女子附小の教員が県内の社会科学習指導の展開に果たした役割を踏まえながら,長野県内における社会科学習指導への着手過程について分析を行う。
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