研究課題/領域番号 |
23K02490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 育英大学 |
研究代表者 |
山本 佐江 育英大学, 教育学部, 准教授 (10783144)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | フィードバック / 形成的アセスメント / 機能的プロセス / 学習の共同調整 / 対話的フィードバック / 共調整学習 / 自己調整学習 / 教師教育 |
研究開始時の研究の概要 |
質の高いフィードバックを受ける生徒の法的権利の確保を目的とした政策を行い、形成的アセスメントを自己調整学習と関連させた大型プロジェクトを複数実施しているノルウェーの事例を参照し、実践分野において学習の調整の支援を目指すため、具体的な研修プログラムを作成する。ノルウェーの例では、実践の妨げとなる要素も見出されたため、プログラムの導入にはその妨げとなる要因の削減に関する検討も必要となるため、予備調査において、明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
本研究では、自己調整学習と形成的アセスメントにおけるフィードバックを融合して、学習の調整を支援する方法を具体化することを目的としている。特に、フィードバックが教師と生徒、生徒同士の間で循環して学習者自身の学習の調整を促し、活用されるための機能を特定するため、教室内でインフォーマルな対話的にフィードバックを行う状況を検討した。フィードバックも対話も用語として非常に広範に使われ多くの意味をもつため、今年度は本研究で使う定義の確立を目指した。その結果、フィードバックはそれを受け取る側がなるべく意識的に受け取り、活用しようとする意欲をもてるようにするため、次のように定義した。「自分の学びを改善するための多面的な働きかけであり、またその働きかけを活用していくプロセスでもある」機能的なプロセスとして定義し使用することにした。また、対話に関しては、先行研究の調査によると近年注目されてきているにもかかわらず、実際どのように行われているかんついてはほとんど明らかにされてこなかった。よって、本研究においては、文学をはじめ教育学、精神医学などに広く応用され、対話論では最も著名な一人であるバフチンを手がかりに「対話とはどういうものか」について整理した。さらに、授業研究会に参加した富山市堀川小学校の実践例をもとに、具体的な対話的フィードバックを見出すことができ、論文としてまとめた。研究成果の普及については、日本教育工学会春季大会における研究シンポジウムで、実践データから導いた発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学を移籍し、研究環境の大幅な変更により、時空間の問題によって実践データ取得による継続的研究が困難になったことが原因として挙げられる。研究協力者との良好な関係は続いている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度後半より実践データ取得が可能になる。それまでに今まで収集した資料をもとに研究協力者たちの具体的な実践について考察しまとめたものを本人たちに示し、解釈的な知見について共有し、ナラティブなデータを収集しておく。対話的フィードバックについては考察を深めることができたが、学習の共同調整と自己調整については、まだ実践上で具体化できていないので、今年度後半の授業観察より実際の場面を抽出する。
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