• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

教員の性犯罪と小児性愛障害の関係 ~教員免許状の欠格事由になり得るか?~

研究課題

研究課題/領域番号 23K02494
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
研究機関愛知医科大学

研究代表者

大橋 渉  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50447497)

研究分担者 今井 由樹子  奈良大学, 社会学部, 准教授 (30880314)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード性犯罪 / 教員 / 保育士 / 小児性愛障害 / スクリーニング / 小児性愛
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、第一に「小児性愛性などの性的嗜好性と教員という職業選択の関係性、教員の労働環境と性犯罪(特に未成年者)との関連を明らかにし、教員による対未成年者性犯罪を惹起する内的外的要因を突き止めること」である。第二に、教員の性犯罪等に関する報道データベースの構築および解析、加害教員に関する定性的・定量的調査の実施、自治体が実施している性的嗜好性のチェックの抑止効果の検証、海外事例調査の実施を通じての、小児性愛障害の診断方法の開発および、教員免許状における「欠格事由」としての位置づけの検証である。

研究実績の概要

初年度(2023年度)は、幼児・児童・生徒と日常的に接する者(教員および保育士)の性犯罪の特徴について、政府公表のデータを用いて解析を行った。現在投稿中(Violence and Victim誌)の論文においては、教員の性犯罪が18歳未満の未成年者に傾倒している点を明らかにした。18歳以上の成人に対する性犯罪率は非教員と比較しても高くない(0.99倍)のに対し、未成年者(18歳未満の者)に対する性犯罪率は1.46倍と高いことが示された。この結果は、教員に対し特別な対策が必要であることを改めて示している。
また、未就学児の性被害の半数以上が保育士、幼稚園教員などの立場の者により行われていることを、報道記事の文字情報解析(テキストマイニング法)により明らかにし、乳幼児教育学会における発表、および学術誌への投稿(子どもの虐待とネグレクト誌)を行った。報道記事というバイアスは考慮する必要があるが、未就学児に対する性犯罪の加害者の45%が保育士によるものであった点に着目し、教員免許状同様、保育士免許においても小児性愛障害を欠格事由として位置付ける必要性を指摘している。また、無認可保育施設における「保育補助」の在り方に関しても、保育士同様の見直しが必要である旨も指摘している。また、共同研究者により、心理学的評価により性加害を行った教員の特徴を明らかにした論文投稿を行った(臨床心理学誌)。
日本と比較的文化および教育制度が類似している、隣国台湾における性被害の防止策などの取材を行った。台湾においては、保育施設および小学校におけるセキュリティカメラの設置が一般的であり、システムとして「死角」を作らない点などは、日本国内においても非常に有効であると判断できた。その他DBSの在り方、法律の弾力的運用による「職業選択の自由」下での就業規制の在り方などは、今度の学会発表等で紹介を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

論文を3本投稿も、査読に時間を要しており現在10カ月が経過している。教員による性犯罪の新聞記事データベースもほぼ完成しており、実際にこれを用いた解析、結果の学会発表、論文投稿も行っているため、ほぼ計画通りと判断する。一部教育委員会からのデータの提供に関し、責任者、担当者の変更により急な提供不可能案件が発生したが、全体への影響は軽微であると考える。
しかしながら、当初台湾における未就学児に対する性犯罪を、データ上は「皆無もしくは少ない」と見積もっていたが、実際に訪台により「性犯罪と見なされていない」だけの可能性を体感した。データ上低く見積もられているのであれば、日本における制度の適用においては考慮しなければならない部分である。

今後の研究の推進方策

政府公表によるデータおよび報道データベースの解析を進め、さらに層別化および細分化された教員、保育士の性犯罪の特徴について報告を行う。加害教員の特徴づけを行い、小児性愛性のスクリーニングのための基本項目を策定できるところまでを、2024年の到達目標とする。現在、教育委員会をはじめ、新たに性障害治療センターおよび治療院などから、性犯罪の加害者情報の収集を進めており、引き続き文字情報の解析を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 報道記事のテキストマイニングに見る乳幼児期の性犯罪被害の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      大橋 渉
    • 学会等名
      日本乳幼児教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 愛知医科大准教授が小児性愛障害診断テストを開発中「日本版DBSだけでは子どもへの性犯罪を防げない」

    • URL

      https://shueisha.online/articles/-/164207

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Cram school teacher arrests ignite child safety

    • URL

      https://www.japantimes.co.jp/news/2023/10/06/japan/crime-legal/yotsuya-otsuka-child-safety-debate/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi