研究課題/領域番号 |
23K02512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松田 淑子 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00452128)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 探究 / エージェンシー / 高大連携 / 協働 / 教員養成 |
研究開始時の研究の概要 |
学校教育における「エージェンシー」醸成のため、高校「総合的な探究の時間」の活用充実、教員の力量形成にその方途を見出したい。 本研究では、教員養成と高校教育を融合した協働探究高大連携システムを組織し、探究学習実践において、教員志望の大学生と高校生の「協働エージェンシー」の醸成プロセスを見取り、構造化するとともに、本経験が両者にとって、教員としての力量形成、自身の進路決定に及ぼした影響を経年後の聴き取り調査により省察的に検証する。「協働エージェンシー」醸成及び発揮における探究学習の有用性と、新しい教員の力量について検証、理論化し、学校教育における「エージェンシー」の醸成に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究は、①教員志望学生と高校生との協働探究学習における「エージェンシー」の醸成と発揮、及び、②教員志望学生の①に基づく未来の教員としての力量形成 以上2点について総括的に検証、理論化し、学校教育における「エージェンシー」醸成に貢献することを目的としている。 令和5年度は、研究の基盤づくりに注力し、以下3点の成果を上げた。 ⅰ)高校現場における探究学習が、エージェンシーを育成することの確認:基本文献調査及び国内の探究学習推進校での調査、考察から、「総合的な探究の時間」における探究活動により、様々な人・こと・もののつながりが生まれ、学校内のエージェンシーが醸成されることを確認した。その成果を学会誌論文にまとめた。 ⅱ)エージェンシー醸成の基盤となる、教員志望学生の探究学習への理解や参与意欲の増進:3名の高校現場教員(校長、中堅教員・若手教員)を研究協力者として招聘し、教職課程の授業において講演等を実施した。 教職課程受講学生の中には、自らの生徒時代に母校で「総合的な学習の時間」を中心に充実した探究活動を経験してきた学生もいるものの、そのような機会に恵まれなかった学生も多い。 従って、教員としての力量形成として、まずは優れた探究学習に触れることが必要である。 講演後の学生らの省察を分析した結果、現場教員自らが実践している具体的事例を直接聞くことで、探究学習への理解や参与意欲が大いに高まったことが導出された。 ⅲ)教員養成と高校教育を融合した協働探究高大連携システムの構築の始動:高大連携システム構築を目指し、大学付属高校及び県内公立高校における「総合的な探究の時間」のグループ探究への教員志望学生の支援(協働探究)を計画している。 令和6年度実施に向け、高校管理職や探究リーダー教員らと検討中である。 併せて、参加希望学生の選定も実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、研究の基盤固めを行った。 本実践研究にあたり、鍵となる教員志望学生自身の探究学習への理解や参与意欲を増大させる必要があると判断したため、高校教員から直接学ぶ機会を複数回設けた。それにより現場の探究学習の進行や未来の教員として必要な力量形成に対する認識を高め、実践研究の基盤を整えることができた。今後の進展のため、必要な取組であったと思われる。 また、予定していた先進的学校への実地調査(海外)を、令和6年度実施に変更した。 以上のことから、研究にやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
研究そのものに特段の変更はないが、令和5年度に行った基盤固めをもとに、ややスピード感をもって研究を進めたい。 教員志望学生の力量形成に努めつつ、高校現場との連携計画をより具体化し、その実現を果たせるよう尽力する。 一方、研究代表者の足の怪我により延期となった先進的学校への実地調査(海外)計画が実現できるよう努める。
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