研究課題/領域番号 |
23K02527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安積 京子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (70707603)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ジェンダー / 日本の高等音楽教育 / ドイツの高等音楽教育 / 音楽業界 / オーケストラ / 高等音楽教育 / 日独比較 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、世界的に特異な日本音大生のジェンダーギャップ(男女間格差)の実態と、音大生の男女比率が約半々というドイツの実態とを現地インタビューも踏まえた国際比較の視点から明らかにし、今後の日本の高等音楽教育の課題を展望すると同時にジェンダー対応策を提言することが目的である。
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研究実績の概要 |
日本には音楽大学卒業生の9割が女子、1割が男子という構造的なジェンダーギャップ(男女間格差)がある。過去50年間(1968~2018年度)の音大卒業者の構造を性別で示してみると、大学・短大・大学院の高等音楽教育機関は合計39万人超の人材を輩出しており、性別は男性10.3%、女性89.7%であり、卒業生の9割が女性である。また、設置者別に見ると、短大・大学とも卒業者の9割以上が私立大生である。日本の音大卒業生の9割が女性であり、ドイツ(約5割)、中国(約5割)、韓国(約7割)と比べても、この女性偏重は顕著であり特異である 。日本におけるこの極端なジェンダーギャップ(英 gender gap)はなぜ生じたのであろうか。 本研究の目的は2つある。一つ目は「音楽」と「ジェンダーギャップ」の問題を、従来の音楽業界における女性への不平等・格差という視点ではなく、音楽教育界、とりわけ高等音楽教育段階での男女格差という新しい研究視点で捉えること。二つ目は音楽教育界と音楽業界を一続きで見る新しい研究視野のもと、両者のジェンダーギャップの関係性や連続性の有無や程度を訴求することである。
令和5年度は、日独のオーケストラのジェンダーの実態を調査したうえで比較研究し、ドイツの音楽大学教授やドイツのオーケストラ団員にインタビューをした内容をまとめ上げた。その査読付論文「日本の音楽業界におけるジェンダーギャップの実態と展望 - 日独のオーケストラのジェンダー比較を通して - 」は、同年度の愛媛大学教育学部紀要第70巻 p.151-p.166に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、当初の予定通り、日本とドイツのオーケストラにおけるジェンダー比較を通して、日本の音楽業界におけるジェンダーギャップの実態と展望についてまとめ、正式に論文として「愛媛大学教育学部紀要第70巻」に掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、ドイツ在住の音楽家・演奏家等にインタビューを実施し、ドイツの高等音楽教育におけるジェンダーギャップの現状と課題について研究を推進する。 令和7年度は、令和5年度(音楽業界)と令和6年度(高等音楽教育界)の研究成果を踏まえて、日独国際比較(定性的・定量的)の視点からの日本の高等音楽教育の展望と今後の対応策を提言する。
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