研究課題/領域番号 |
23K02532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
湯原 裕子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (50882213)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 養護教諭 / 救急処置 / 心理的ストレス / 予防教育 |
研究開始時の研究の概要 |
子どもたちの健康問題は多様化により,学校現場にAEDやエピペン,パルスオキシメーターといった医療機器等が普及し,養護教諭への救急処置のニーズがより幅広く,複雑かつ高度化している。多くは一人配置である養護教諭はその重責から,メンタルヘルスの不調やバーンアウトの強度が高いことが指摘されている。養護教諭が健康を維持することは,子どもの命と健康を守るために重要な要素である。本研究の目的は学校で養護教諭が救急処置を行った際に生じる心理的ストレスの現状と対処法,回復段階に関する構造を解明した上で,心理的ストレスへの準備性を高めるための予防教育プログラムを検討し,養成段階の教育に導入することである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,学校で養護教諭が救急処置を行った際に生じる心理的ストレスの現状と対処法,回復段階の構造を現職養護教諭へのインタビュー調査を通して解明した上で,心理的ストレスへの準備性を高めるための予防教育プログラムを検討し,養成段階の教育に導入することである。本年度は、現職養護教諭の救急処置における心理的ストレスの現状と対処法,回復段階に関する構造の明確化が研究課題であった。 2023年10月~2024年3月に、実務経験10年~19年の関東圏の中堅養護教諭14名に半構造化インタビュー調査を実施した。インタビュー項目は,①医療の対象となった傷病を対応した時の心理的ストレスの現状,②心理的ストレスへの対処方法,③心理的ストレスの回復段階と影響要因,④心理的ストレスに関して周囲や社会に求めること,⑤心理的ストレスに関して養成教育に求めること、の5項目である。 インタビューはICレコーダーに録音し,逐語記録に起こした。救急処置における心理的ストレスの現状と対処法,回復段階に着目して内容を抽出し、心理的ストレスの構造について整理している。学校での事故対応において養護教諭が救急処置を行った際に起こりえる心理的ストレスとして、処置内容や病院搬送の有無を判断する過程、手当や病院受診を終えた事後処置の過程、子供の傷病が回復していく過程において、養護教諭特有の内容を抽出することができた。今後はストレスへの対処とその回復過程に影響を与える要因について整理していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビュー協力者との日程調整に時間を要し、対象者全員へのインタビュー調査が終了するまでの期間が長期になった。逐語記録の分析予定の時期が想定よりも後ろ倒しになった。そのため、研究課題の成果を学会等で発表するまでに至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は「救急処置における心理的ストレスに対処するための予防教育プログラムの検討」を行う。 養護教諭へのインタビュー調査の分析によって明らかになった救急処置に伴う心理的ストレスの構造を基に,ストレスが回復する段階にどのような要素が影響していたかを抽出する。その要素を身につけ,強化するために養成段階ではどのような事前教育が必要かを検討する。主にストレス反応や経過を理解するための授業,対処法にはどのようなものがあるのかという心理学の知識や技術を得る授業,事例検討を中心とした体験授業が想定される。教育プログラムの検討には,ラザラスのストレスマネジメント理論を参考にする予定である。
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