研究課題/領域番号 |
23K02565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
司城 紀代美 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (30707823)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インクルーシブ教育 / 教師の専門性 / 即興性 / 対話 / 対話教育学 / 通常の学級 / 互恵的な学び |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、通常の学級において子どもたちが互恵的に学ぶインクルーシブな授業を実現するために必要な教師の専門性について明らかにすることである。 インクルーシブな授業では、教師が子どもの反応への応答としてその計画を柔軟に変えることができる「即興性」が必要であるとされる。本研究では、教室にインクルーシブな文化を創り出す「即興性」を教師の専門性として捉える。教師へのインタビューや授業観察によって、教師の認識、判断、行動の過程を詳細に分析し、インクルーシブな授業づくりにおける教師の専門性を概念化する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、通常の学級において子どもたちが互恵的に学ぶインクルーシブな授業を実現するために必要な教師の専門性について明らかにすることである。インクルーシブな授業では、教師が子どもの反応への応答としてその計画を柔軟に変えることができる「即興性」が必要であるとされる。 2023年度は、授業中の教師の「即興性」をとらえる視点として、「対話」に着目した。授業中の「対話」において、教師が子どもの発言をどのようにとらえるかが重要であり、そこに教師の「即興性」があらわれると考えられる。教師の対話教育の専門性について検討するため、イギリスの対話教育学に関して文献調査および現地調査を行った。調査により、授業の中の「対話」にあらわれる教師の専門性について検討することが、インクルーシブ教育における教師の専門性を明らかにするために有益であることが確認された。今後はインクルーシブ教育と対話教育の関係についても分析を行う。 また、授業観察と教師へのインタビューも実施した。対象としたのは、インクルーシブ教育に関心をもち、多様な子どもたちの学びを生かすことを目指した授業実践を行っている教師である。授業観察後にインタビューを行い、特に授業の中で、一見「誤っている」と思われる子どもの発言を、授業者がどのようにとらえ、その後の授業の進め方についてどのような判断を下したかを聞き取った。また、日頃の授業で大切にしていること、難しいと関していることについてもインタビューを行った。本研究では、教師の専門性として、教室にインクルーシブな文化を創り出す「即興性」に着目している。インタビューデータの分析においては、授業の中での教師の「即興性」の様相をとらえるとともに、教室の中のインクルーシブな文化と教師の「即興性」との関係についても検討することとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査、インタビュー調査ともに年次計画に従い、順調に進めることができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、授業観察と授業者への授業後のインタビューを重ね、授業中に教師が「即興的」に振る舞う過程を詳細に明らかにする。子どもの予想外の言動、授業の流れから外れる言動、当初の計画に修正が求められる場面等、一見否定的に捉えられる場面での教師のかかわりや子どもの変化に着目する。観察で得られたデータをもとに授業者へのインタビューも併せて行い、教師がその場面をどう認識しどんな判断を下したかを言語化する。2024年度から2025年度にかけて、通常の学級におけるインクルーシブな授業づくりに必要な教師の専門性について概念化するために必要なデータを十分に収集できることを目指す。
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