研究課題/領域番号 |
23K02576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
吉井 涼 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (50733440)
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研究分担者 |
北畑 彩子 聖徳大学, 教育学部, 講師 (40779881)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 重度・重複障害 / 肢体不自由 / 養護学校 / 特別学級 / 学級編制 / 重度・重複障害児 / 全員就学 / 教育課程 / 医療 / 東京都 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1960年代から1980年代の日本の養護学校において、重度・重複障害児にかかわる教師の問題意識と教育実践が校内でどのように共有・継承されていったのかを、文書史料と口述史料を組み合わせて明らかにする。具体的な研究課題は、第一に、教師からみた重度・重複障害児の実態とその変化、第二に、全員就学への道程における教師の問題意識と実践、第三に、重度・重複障害児に対する教育課程編成と実践の共有・継承過程である。
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研究実績の概要 |
研究初年度である2023年度は、戦後日本の肢体不自由養護学校において、教師たちが、どのような子どもを「障害が重い」と認識し、「障害が重い」子どもに対してどのような実践を試みたのかを検討した。 その際、東京都で4番目の肢体不自由養護学校として、1963年に開校した東京都立北養護学校における特別学級の設置(1964年度)と解消(1973年度)を巡る議論に着目した。東京都は、国に先駆けて希望者全員就学を果たしたが、北養護学校はさらに、都に先駆けて希望者の全入運動を推し進めた。同校の特別学級は、「障害が重い」子どもを集めた学級であったが、この時の「障害が重い」子どもとは、「教科書学習からはみ出す子」であり、集団の中で授業参加が難しい行動問題がある子であった。同校では、特別学級以外でも、能力別の学級編制がされていたが、教師らは学級編制に関する議論を継続的に実施していた。ある一つの学年の教師らは、形式的な「準ずる教育課程」にとらわれない、弾力的な教育課程を試みた。教師らは、既成の学級の枠組みをなくし、流動的で多様な集団を作り、教育を行っていた。能力別学級編制に関する校内での議論や試行的実践を経て、特別学級についても議論が重ねられていた。「障害児の全人的発達」を促進させようとする立場からは、特別学級に対して批判的な意見もあり、1973年には、複数担任制への移行も契機となり、特別学級の解消が決定された。北養護学校の教師らは、「学級とは何か」、「集団とは何か」といった観点から、教育実践や問題意識を共有していった。現場の教師らによるこうした日常の議論と自律的な実践こそが、重度・重複障害児教育に関する専門性の構築につながるものであったと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の初年度は、①先行研究の検討、②資料の収集、③資料の整理・分析の基礎的作業を行うことを計画し、これら3つの作業をおおむね計画通りに実施することができた。特に、研究開始時に入手済みであった資料をもとに研究を進め、その成果の一部を発表することができた。加えて、2度の現地での資料収集により、北養護学校が所有する資料を概ね入手することができた。収集した資料の中には、北養護学校の教師らの会議資料等に加えて、東京都における肢体不自由教育の動向を把握することができる資料も含まれている。今後の研究を進めるうえでの基礎的作業ができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究の2年目となる2024年度は、まず、2023年度に発表した内容について、さらなる調査・分析を進め、学会誌へ投稿する。続いて、対象時期を1990年代頃まで延ばし、北養護学校における障害が重い子どもの実態と教師らの問題意識・実践の分析を進める。これらの分析や考察については、関連研究者との研究討議等を通じて多面的に検証していく。また、東京都の全員就学にかかわった人々を対象とした聞き取り調査の準備を行う。
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