自閉症スペクトラム障害(ASD)は不安障害等メンタルヘルスの問題を併存しやすい。不登校やひきこもりとの関連も指摘され,その支援は喫緊の課題である。DSM5で初めて,ASDの中核症状として感覚過敏/鈍麻等が追加されたが,感覚の問題は本人も周囲も気付きづらく,日本での研究蓄積もまだ浅い。そのため,心理社会的問題として捉えられていたASDの困難の背景に,感覚の問題が隠され見過ごされている可能性がある。そこで本研究において,ASD当事者の感覚の問題に関わる生活上の困難とニーズについて,定量的研究と定性的研究の2つの手法を用いて解明し,二次障害予防および共生社会の創造に貢献する。
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