研究課題/領域番号 |
23K02583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
酒井 奈緒美 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 研究室長 (60415362)
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研究分担者 |
越智 景子 京都大学, 情報学研究科, 特定助教 (20623713)
坂田 善政 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 学院教官(併任研究所) (20616461)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 吃音 / 幼児 / ワーキングメモリ / 復唱 / 逆唱 / リスニングスパンテスト / 予後 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、子どもの認知能力の一つであるワーキングメモリに着目し、「子どものワーキングメモリ能力が、発話時に課せられる要求(語彙、発話長、発話速度)に、十分に対応できない時に吃音が生じやすくなり、それらの不均衡が発達の過程で解消されれば吃音が改善していくのではないか」という仮説を検証することを目的とする。子どものワーキングメモリ能力の比較(吃音群 vs 非吃音群、持続群 vs 治癒群)に加え、吃音の生起の背景にあると考えられる能力と要求との個人内不均衡の観点から、吃音の生起・予後の関連因子を探ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、子どもの認知能力の一つであるワーキングメモリに着目し、「子どものワーキングメモリ能力が、発話時に課せられる要求(語彙、発話長、発話速度)に、十分に対応できない時に吃音が生じやすくなり、それらの不均衡が発達の過程で解消されれば吃音が改善していくのではないか」という仮説を検証することを目的としている。令和6年度は、実験課題の選定、倫理審査の受審、対象者の公募、予備実験の実施まで進めた。 当初は、ワーキングメモリ課題として、音韻意識・音韻操作能力の①ATLAN音韻意識検査、②非語の復唱・逆唱課題の実施を予定していたが、これらの課題全ての実施は対象者への負担が大きいと判断し、吃音との関連がより強く予測される課題を選定することとした。先行研究において、非語の復唱・逆唱課題の成績が吃音の有無と関連すること、そして吃音には語頭のバイモーラ頻度が関連することが報告されていたことから、2ー6モーラから成るバイモーラ頻度の高い非語と低い非語の刺激を作成した。この非語の課題(音韻課題)とリスニングスパンテストについて、Psychopyを用いて実験プログラムを作成した。 倫理審査を受審後、対象者は、病院や地域の相談施設の言語聴覚士を通して公募を行うとともに、代表者の所属施設のホームページにて広く募集した。 予備実験は吃音のある女児(6歳)を対象に行った。この予備実験データをもとに、計測・分析項目(応答潜時、応答所要時間(発音に要した時間)、正答率、誤りのパタン(モーラの置換、脱落、追加など)、吃音症状の有無)について研究者間で議論を行い、今後の実験データの記録・分析方法を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は1年目に吃音のある子ども30名程度を対象にデータを収集する予定であったが、実験課題の精査が必要となったために対象者の募集の開始が遅れたこと、また公募によって思うように対象者が集まらなかったことから、研究の進捗が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象者の募集に苦慮しているため、吃音のある幼児を対象とするイベント(講演会や相談会)を企画・開催し、その中で協力者を募ることを計画している。吃音の臨床経験が豊富な分担研究者が講演・相談を担当し、研究代表者が実験を担当する予定である。2024年秋頃に2つの地域(埼玉、福島)にて、吃音のサポート団体とも連携しながらイベントを実施するよう計画を進めている段階である。
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