研究課題/領域番号 |
23K02589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
木村 素子 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (60452918)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ニュージーランド / インクルーシブ教育 / フルインクルージョン / ろう難聴 / 聴覚障害 / 手話 / デフコミュニティ / 聾学校 / ろう教育 |
研究開始時の研究の概要 |
インクルーシブ教育をどのように実現していくのかは、世界各国における教育の重要な課題となっている。しかし、様々な地域の通常の学級に散在する障害のある子どもに質の高い教育を広く保障するには、巡回指導等で行うインクルーシブ教育では、専門性の研修・維持・継承に制約も大きい。国土面積の割に人口の少ないニュージーランドでは、聾学校を多く設置することは難しい。専門的支援のニーズが高いろう・難聴児に通常の学級でどのように質の高い教育を保障するのか、そのシステムの課題と可能性を明らかにすることは、世界各国で試みられているインクルーシブ教育のあり方を考えることに寄与する知見を与えるものと考える。
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研究実績の概要 |
2023年度は、第一に、ニュージーランド(以下、NZ)のろう教育センターKo Taku Reoの責任者や教職員とのメールやZoomによるコンタクト、9月および3月の調査時における情報交換等を通して、ラポール形成に努めた。第二に、9月、3月に実地調査を行い、日本でいう特別支援学級タイプのろう難聴児の学級Deaf Provisions(クライストチャーチ、オークランド、ウェリントン)、ろう教育センターKo Taku Reo(クライストチャーチ及びオークランド)、ろう教育センター幼稚部、人工内耳支援センターの教育・療育施設、ろうコミュニティの拠点であるデフ・クラブ(クライストチャーチ)の訪問、ならびに公用語であるニュージーランド手話の研究拠点であるヴィクトリア大学ウェリントンのDeaf Studies Research Unitの研究者との面会等を行った。また、ニュージーランド国立図書館、ヴィクトリア大学ウェリントン図書館、カンタベリー大学図書館、オークランド図書館等で資料収集を行った。第三に、教育省や統計局等の官公庁の作成する関連資料やデータの収集と読解、関連法規の収集と読解、先行研究の収集及び読解を行った。第四に、2024年度9月からのサバティカルに向けて、ろう研究に必要不可欠となるニュージーランド手話の習得のため、オンラインレッスンによる現地語習得に努めた。 2024年度は、サバティカルで首都ウェリントンに滞在し、中央省庁の資料収集やインタビュー調査等のほか、ろうコミュニティ、手話研究・デフスタディや手話通訳養成の現場、Deaf Provisionsやメインストリーミングの教育の場でのフィールドワークを実施する予定である。また、NZろうインクルーシブ教育の現状を概観する論文を執筆する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
先行研究が少ない研究領域であったが、9月、3月と2回の調査を実施することができ、これに伴い、研究に必要な多くの人脈を形成することができ、また実地調査や多くの資料の入手により、日本と大きく異なるニュージーランドのろう教育や障害児教育システムについての理解を深めることができた。また、オセアニア教育学会の複数の研究者の方々と研究協議をする機会を得ることができ、教育一般の立場からの知見と、自身の障害研究の立場からの知見を情報・意見交換をすることができ、双方の研究にとって意義深い研究交流となった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度9月より、サバティカルで7ヶ月程度の実地調査の機会を得たため、Deaf Provisionsや地域のデフ・クラブへの継続的なフィールドワークを実施することができると思われる。これにより、研究に必要なニュージーランド手話についても、現地で言語を使用しながら言語習得を図ることができ、以降の円滑な調査を推進するものと考える。
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