研究課題/領域番号 |
23K02597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
小池 敏英 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 特任教授 (50192571)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 学習障害 / 読み書き障害 / 就学前児童 / 読み書き支援 / 知的障害 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、就学前児童を含む低年齢児童における読み書き支援が重視されている。低学年児童の読み書き困難に対する支援が遅延するという問題を指摘できる。就学前の段階でひらがな習得困難を示す児童の保護者が有する不安は大きく、その対応も必要とされている。本研究は、就学前児童を含む低年齢児童を対象として、①小学校 入学後の読み書き困難の程度とタイプを判別する就学前アセスメント法を確立し、②アセスメントに基づく就学前の個別支援課題を明らかにする。
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研究実績の概要 |
学習障害の支援では、小学1年生の読み書き困難に対する支援が遅延するという問題を指摘できる。この問題を克服するためには、就学前児童を含む低年齢児童を対象として、読み書きアセスメント法を確立することが必要である。就学前児童には、知的障害を有する者もおり、就学前の読み書き支援を組み立てるためには、知的障害を有する児童の読み書き発達支援を含めて検討する必要がある。2023年度には、①就学前の幼稚園・保育園児の読み書き発達アセスメントを行い、発達データを収集した。あわせて、②知的障害を有する児童の読み書き発達アセスメントを行い発達特性を検討した。本報告では、知的障害を有する児童の読み書きの発達特性を中心に報告する。 2023年度の研究では、知的障害特別支援学校小学部・中学部に在籍の児童生徒65名(語彙年齢3歳未満~9歳7か月)を対象として、ひらがな47文字読み課題と読み基礎スキル課題を行い、基礎スキル課題の難度の順序性についてオーダリング分析により検討した。文字弁別・文字抽出課題では、ひらがなに類似し、児童生徒が読むことできない文字として、台湾の注音文字を用いた。ひらがな47文字の読みの達成者群では非達成者群と比べて、各スキル課題の達成者の構成は高かった。本研究では、2種の課題の達成・非達成の組み合わせに基づき、基礎スキル課題の難度の順序性について評価した。その結果、ひらがな47文字の読み課題より難度の低い課題は、文字抽出課題と2字無意味語復唱課題であることが明らかになった。さらに、音韻抽出課題は、ひらがな47文字の読み課題よりも難度の高い課題であった。本研究の結果、知的障害を有する児童の発達モデルを明らかにできたので、就学前の児童の読み書き達成状況より、対象児の発達特性が知的障害を有する児童の特性に類似しているか、評価することができるようになり、支援上、有効であることを指摘できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
就学前児童の中には、知的障害を有し、読み書きの遅れを示す児童を認める。このような児童の発達支援を組み立てるためには、知的障害を有する児童における読み書きの発達モデルを明らかにする必要がある。2023年度の研究の結果、知的障害を有する児童の読み書きの発達モデルについて、知見を得ることができた。これに基づくことで、2024年度の就学前児の読み書き支援プログラムを組み立てることに一定の見通しを持つことができた。これにより、「おおむね順調に進展している」と区分することができる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には、引き続き①就学前の幼稚園・保育園児の読み書き発達アセスメントを行い、発達データを収集する。あわせて、②知的障害を有する児童の読み書き発達アセスメントを行い発達データを収集する。これらに基づき、就学前の児童において、知的障害を有さない者に関する読み書き発達モデルを作成する。あわせて、知的障害を有する者に関する読み書き発達モデルを作成する。これに基づき、知的障害を有する者と、有さない者の両者について、読み書き支援の有効性を検討できるようにする。
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