研究課題/領域番号 |
23K02600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
林 京子 東邦大学, 健康科学部, 助教 (80962943)
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研究分担者 |
尾立 篤子 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50736973)
宮崎 裕子 東邦大学, 健康科学部, 准教授 (10827801)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 聴覚障害 / 看護学生 / 学修支援 / 臨地実習 / 合理的配慮 / 高等教育 / 学習支援ニーズ |
研究開始時の研究の概要 |
看護学を学ぶ聴覚障害学生には「言葉の聞き取り」「コミュニケーション」「心音や呼吸音の聴取」等の困難が明らかになっているが、聴覚障害の程度には幅があり、対応を均一化することは難しい。また外見からは障害による制約が見えにくいため解決策は見出されていない。さらに看護学教育で必修化されている臨地実習においては、学内で行われる授業に比べより多くの調整と配慮が必要になるため、聴覚障害学生と看護教員の双方が戸惑いを感じながら実習を進めている状況がある。 そこで本研究は、看護学臨地実習に焦点を当て聴覚障害学生の学習支援ニーズとそのニーズに基づいた合理的配慮を明らかにすることで課題の解決を目指す。
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研究実績の概要 |
合理的配慮とは、障害者差別解消法に基づき障害のある学生が学校教育を受ける上で必要な変更や調整を行うことを指し、過度な負担を伴わないものと定義されている。 本研究では、聴覚障害を持ちながら看護学臨地実習を行った経験を有する看護師と臨地実習で聴覚障害学生を指導した経験を持つ看護教員及び臨地実習指導者を対象に、個別インタビューを行い、聴覚障害学生側の困難と教育者側の困難の様相を明確化する。さらに聴覚障害を持つ看護師の語りから得られた学習支援ニーズに基づき、教育する側が行うべき合理的配慮を検討した上で、全国の病院に質問紙調査を行いその実行可能性について考察する。聴覚障害は先天性もしくは加齢によりおこるものだけではなく、突発性難聴や騒音性難聴など、どの年代にも起こりうる身近な障害である。聴覚障害学生への合理的配慮を検討することは、聞こえに障害を持つすべての対象への支援に応用でき、看護の質の向上につながるのではないかと考える。 2023年度は、大学の教職員の合理的配慮に関する認識についての文献を収集し、障害を持つ学生への合理的配慮の現状と課題の検討を行った。その結果、教職員は、障害学生に対する合理的配慮の範囲や方法及び妥当性の判断に困難を抱えていることが明らかになった。また、聴覚障害を持つ看護師3名と聴覚障害を持つ看護学生への指導経験がある教員と看護師合わせて5名に、インタビュー調査を行い臨地実習における困難の様相と必要な学習支援についての分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高等教育機関で学ぶ障害学生数は、増加傾向にあり、聴覚障害学生数も増加している。しかし、障害学生全体に占める聴覚障害学生の割合は約5%と少ないことに加え、障害開示とプライバシー保護の観点から、調査対象者である聴覚障害を持つ看護師へのアクセスが難航しており、予定した人数のインタビュー調査が行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者の参加条件の見直しを行う。また、既存のネットワークを活用した研究協力者募集に加え、SNS及び病院内の掲示板の活用や聴覚障害者団体への研究協力依頼を行うなどの、多様な研究協力者募集の方法を検討する。
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