研究課題/領域番号 |
23K02605
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
能美 由希子 筑波大学, 人間系, 研究員 (40839487)
|
研究分担者 |
左藤 敦子 筑波大学, 人間系, 准教授 (90503699)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | オンライン / 日本手話 / WEB会議システム / ろう者 / インタビュー調査 / 手話 / 手話会話 / 手話通訳 / 読み取り |
研究開始時の研究の概要 |
インターネットの普及や通信端末の進化、また、近年のコロナ禍により、web会議システムを用いた手話会話や手話通訳の機会が増加している。しかしこれらのシステムは音声を主たるコミュニケーション手段として想定しており、本来三次元での情報を必要とする手話でのやりとりに最適化されているわけではない。 そこで本研究では、オンラインでの手話において、発言人数・手話の習熟度・通信環境が与える影響を実験的に明らかにする。手話の言語学的な特徴を踏まえた分析位、従来のweb会議システムにおいて双方に負担なくやりとりが可能となる手法、及びオンラインでの限界や対面との使い分けを考察したい。
|
研究実績の概要 |
コロナ禍を経て、WEB 会議システムやビデオ通話等のオンライン環境でやりとりをすることが増加している。手話は3次元の情報を含んでいるため、オンライン環境においてスムーズなやりとりをするためには、画面の大きさ、通信環境、見やすい手話表現などの調整が必要であることが指摘されているが、手話話者が実際どのようにオンライン環境を活用しているのかは明らかにされていない。今年度は、これらを実験的に明らかにする前段階の調査として、本年度は手話話者であるろう者へのインタビュー調査を行った。インタビューガイドに基づき、使用端末、やりとりが困難な場面の対応方法、対面とオンラインの違い、オンラインでの理想的な手話会話環境について、半構造化面接を行った。結果、オンライン環境では、やりとりの人数や内容によってあわせて使用端末を使い分けていること、互いの通信環境に合わせた手話表現の調整を行っていることが明らかになった。特にオンライン環境での難しさとして、空間等の情報を共有すること、相手の視線が画面上のどこを向いているのか正確に把握すること、通信速度等による話者交替のタイミングを適切に計ること、自身の手話表現をある程度モニターしながらかつ相手の反応を見ながら話さなければならないこと、が挙げられていた。オンラインの手話会話においては、特に視線の使い方で調整が必要であると考えられ、これは視覚言語である手話の特徴であると言える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた実験研究のデザインを組むために、追加でインタビュー調査を行った。 手話の母語話者同士のオンライン環境でのやりとりでの調整内容を抽出することにより、この後の実験研究をより具体的に設計できるものと想われる。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の計画を元に、手話会話における1対1、1対複数人での実験研究を行う。 また、手話の母語話者以外にもインタビューを行い、オンラインでの手話会話の調整要因や困難要因について明らかにしていく予定である。
|