研究課題/領域番号 |
23K02608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
岡澤 慎一 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (20431695)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 重症心身障害児 / 相互行為分析 / 共同性 / 相互行為 / 微視的分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,重症心身障害児との教育的係わり合いにおいて,何かしらの共有が実現している行動様相,あるいは,共有の実現を志向するような教育的係わり合いの実相を,重症心身障害児と係わり手の相互行為の微視的分析を重ねるなかで明らかにすることである.重症心身障害児と係わり手の相互行為における様々な共有に関わる行動様相や係わり合いの実相を描き出すことは,重症心身障害児との教育的係わり合いを進めるにあたって実際的に必要なことであると同時に,広くコミュニケーションにおける共同性の視点に新たな知見を重ねることになろう.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,重症心身障害児との教育的係わり合いにおいて,何かしらの共有が実現している行動様相,あるいは,共有の実現を志向するような教育的係わり合いの実相を,重症心身障害児と係わり手の相互行為の微視的分析を重ねるなかで明らかにすることである.具体的には,第1に,すでに申請者のもとに蓄積されている重症心身障害児と係わり手である申請者との係わり合いに関する映像資料を対象として,コミュニケーションにおける共同性の側面を反映していると思われる場面を抽出し,相互行為を記述し微視的分析を重ね,共同性が反映されている行動様相を明らかにし,そのなかに見出される意味を推定するとともにそうした係わり合いが実現する諸条件を確定することである.第2は,重症心身障害児との共同性に関する新たな教育実践を展開し,さらなる映像資料を蓄積することである.今年度は,第1の目的に関して,2事例のこれまでの教育実践に関する映像資料から,コミュニケーションにおける共同性の側面が反映されている場面を抽出している.また,第2の目的に関して,2023年4月から2024年3月の間に3名の超重症児,重症心身障害児との教育的係わり合いの場面において収集された映像資料は以下のとおりであった.3名のうち2名は,脊髄性筋萎縮症(SMAⅠ型)を原因疾患とする超重症児(事例1,事例2)で,視線入力装置を用いた学習活動に取り組み,この間の係わり手との相互行為を映像に収めている.事例1については26セッション分,事例2は15セッション分の映像資料が得られた.3名のうちの1名は,筋原性疾患の先天性ミオパチーを原因疾患とする超重症児(事例3)であり,同じく視線入力装置を用いた学習活動に取り組み,24セッション分の映像資料が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的の第2に関しては,順調に映像資料の収集が重ねられている.一方,研究目的の第1に関しては,映像資料の量が多いこともあり,十分には取り組むことができていない.研究目的の第1と第2の進捗を総合的に勘案すれば,全体での達成度はおおむね順調であると考える.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,重症心身障害児とのコミュニケーションにおける共同性に関する教育実践を展開し,映像資料の収集に努め,可能なところから分析を進める.また,研究目的の第1に関しては,すでに分析が可能な状態であることから,計画的に遂行したい.
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