研究課題/領域番号 |
23K02612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
岩田 吉生 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20314065)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 聴覚障害 / 人工内耳 / アイデンティティ形成 / 聴覚障害児 / 聴覚障害者 / 心理支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高性能の補聴機器である人工内耳を装用した聴覚障害児者のアイデンティティ形成について検討し、幼少期から青年期までの心理的課題を解明し、中学生・高校生、大学生、社会人の当事者に対する心理支援の在り方を検討することを目的とする。また、本研究を通じて、人工内耳装用児者の心理および教育支援の基礎資料(ブックレット冊子の草稿)を作成することを目標とする。
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研究実績の概要 |
2018年以降、聴覚障害者のアイデンティティ形成の研究に加えて、難聴者と同様に、二つの文化の所属に葛藤することが予想される国際児のアイデンティティ形成の研究をレビューしながら、難聴者のアイデンティティ形成を検討する上での視座を得ることを目的として検討を行っている。その結果、国際児にとって最も自然で安定的な「国際児としてのアイデンティティ」のように、健聴社会とろう社会の二言語二文化を習得し、両者の橋渡し的立場で生きる「難聴者としてのアイデンティティ」の存在が考えられた。 2023年度より現在まで、人工内耳装用青年のアイデンティティ形成に関する国内・国外の文献研究を行い、現状と課題を整理する最中である。今年度の前期には文献研究を終える予定である。 2023年度は、日本特殊教育学会第61回大会にて、思春期以降に人工内耳埋め込み手術を行った事例のインタビュー調査によるアイデンティティ形成に関してポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人工内耳装用青年のアイデンティティ形成に関する国内・国外の文献研究を行い、現状と課題を整理する最中である。今年度の前期には文献研究を終える予定である。 現在は、人工内耳装用の大学生および20代の社会人を対象とした半構造化形式のインタビュー調査を実施を始めた。その上で、装用時期・教育歴・言語環境・心理的変化等の基礎資料を踏まえ、聴覚障害者としてのアイデンティティ形成に関して、各個人の変遷過程と現状について、グランティッド・セオリー・アプローチ(GTA)による質的分析を行う。 人工内耳装用の大学生および20代の社会人を対象とした質問紙の質問項目の検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、人工内耳装用青年のアイデンティティ形成に関して、3年の研究期間において、量的研究および質的研究を通じて、次の点を明らかにすることを目指している。 1)人工内耳装用青年のアイデンティティ形成に関する国内・国外の文献研究を行い、 現状と課題を整理する。 2)人工内耳装用の大学生および20代の社会人を対象とし、質問紙を用いて、装用時期・教育歴・言語環境・心理的変化等の基礎資料を踏まえ、聴覚障害者としてのアイデンティティ形成に関する実態調査を行う。。 3)人工内耳装用の大学生10名および20代の社会人を対象とし、半構造化形式のインタビュー調査を実施して、装用時期・教育歴・言語環境・心理的変化等の基礎資料を踏まえ、聴覚障害者としてのアイデンティティ形成に関して、各個人の変遷過程と現状について、グランティッド・セオリー・アプローチ(GTA)による質的分析を行う。 2024年度は、この1)~3)の研究を進めていく。年度末までに研究成果を報告できるように前期にデータ収集、後期にデータ分析および論文執筆を進められるようにする。
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