研究課題/領域番号 |
23K02636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
西牧 可織 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (70758549)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | データサイエンス / 教育用ロボット / VR / 数理・データサイエンス・AI教育プログラム / python |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、VR技術を新たに取り入れ教育用ロボットとともに活用することで,「仮想空間と現実空間における学びを融合した医療系大学におけるデータサイエンス教育」を新たに提案し,その効果を検証する. 医療系学部の学生に対してVRでの仮想空間と現実空間双方の多様な視点で学習させることでロボットの医療現場での活用や問題点をイメージできるようにし, MDASHに「楽しさ」や「学ぶ意義」ももてるようにする.これによって、医療現場で役立つデータサイエンススキルを修得した医療従事者を育成する.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的である仮想空間と現実空間双方の多様な視点での学習によってロボットの医療現場での活用や問題点をイメージできるようにし、MDASHに「楽しさ」や「学ぶ意義」ももてるようにしながら,データサイエンス教育を実施するために、2023年度は、まず、MDASHモデルカリキュラムの知識・スキルの項目より教育用ロボットやVRを活用することで学べる項目の整理を行った.数理・データサイエンス・AI 教育(応用基礎レベル)に対応する授業として「医療データサイエンス入門 I」を,薬学部をはじめとする複数の医療系学部で開講した.薬剤師など療従事者を目指す学生が AI やプログラミングに興味を持つよう教育用ロボットを活用した.また,学修プラットフォームとして「医療データサイエンス学修サイト」を作成し,GoogleColaboratory を用いたプログラミング演習をサイトに組み込むことで,ロボットを活用しながら応用レベルの基礎学修項目を体系的に学修できるよう工夫した. デザイン思考を取り入れながら,学生主導でロボットを活用したプログラミング授業の設計を行った。その結果,安定した授業内容の実施と教材の改善が期待できることを明らかにした。デザイン思考では,授業を受ける1 年生の深いニーズや課題を理解するプロセスを踏まえて,教員と教員の担当するゼミナールの学生でディスカッションを行いながら,学生が主導となる形で反復的・継続的に授業改善を行った.設計した授業を受講した1 年生の学生の授業アンケートの結果から,授業資料の改善や幅広い分野への学びの意欲を引き出すことに繋がることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究では,まず,数理・データサイエンス・AI 教育(応用基礎レベル)に対応する授業として「医療データサイエンス入門 I」を,薬学部をはじめとする複数の医療系学部で開講し、薬剤師など療従事者を目指す学生が AI やプログラミングに興味を持つよう教育用ロボットを活用することができた.また,学修プラットフォームとして「医療データサイエンス学修サイト」を作成しGoogleColaboratory を用いたプログラミング演習をサイトに組み込むことで,ロボットを活用しながら応用レベルの基礎学修項目を体系的に学修できるよう工夫することもできた. さらに、ロボットの活用に関して,デザイン思考を取り入れながら,学生主導でプログラミング授業の設計を行い,設計した授業を受講した1 年生の学生の授業アンケートの結果から,安定した授業内容の実施と教材の改善が期待できることを明らかにした. 以上のように,2023年度までに「VRでの仮想空間と現実空間双方の多様な視点での学習によってロボットの医療現場での活用や問題点をイメージできる」という目的のうち,MDASHモデルカリキュラムの知識・スキルの項目より教育用ロボットを活用することで学べる項目を整理することができ,ロボット活用の点で研究が進んだため「おおむね順調に進展している.」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までの研究結果より,「ロボットの医療現場での活用や問題点をイメージ できるようにし, MDASHに「楽しさ」や「学ぶ意義」ももてるようにする」という目的を達成するためのロボットの活用に関して,検討すべき項目が研究計画時の想定よりも多岐にわたることがわかった.例えば,ハードウェアの面であれば,ロボットの形状を目的に応じて変更することや,現実空間でロボットを動作させるための走行コースを,使用するセンサに合わせて作成する必要があることが課題としてあがった.ソフトウェアの面であれば,OSのアップデートにともなうロボット用アプリケーションの対応や,プログラミング学修において,ブロックプログラミングからpythonプログラミングへどのようにスムーズに移行できるかなどがある. また,情報教育の現状として,学生によってプログラミングへの興味・関心・習熟度が多様であり,高等学校での「情報」科目の履修状況も異なることを考慮する必要がある.また,生成AIの利活用も検討する必要がある. したがって,今後の推進方策として,まずは,ロボットの活用についてハードウェアの面,ソフトウェアの面で学生の達成度に応じた教材の検討をさらに進める.「ロボットの医療現場での活用や問題点をイメージ」し「「楽しさ」や「学ぶ意義」をもてる」目的のため,生成AIも活用しながら,MDASHに関する授業科目・対象学生・情報教育の現状に応じてフレキシブルに対応できるようなシラバスを作成し,その上で,VRなど仮想空間での学びの教材を取り入れられるようにする必要がある.
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