研究課題/領域番号 |
23K02647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
松山 由美子 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (90322619)
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研究分担者 |
塚田 義典 摂南大学, 経営学部, 准教授 (50622643)
中村 恵 畿央大学, 教育学部, 教授 (90516452)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 保育でのICT活用 / タブレット / 幼児のICT活用 / 保育の評価 / アプリ開発 |
研究開始時の研究の概要 |
保育ドキュメンテーションについては、ICTによる作成支援ツールも登場して推進される一方で、「保育者が撮影した」一部の写真のみで保育実践を語ることへの指摘もある。 筆者らが、幼児の活動をより豊かにし、保育者の深い幼児理解や質の高い保育評価を支援するICT活用を目的として研究を重ねた結果、保育ドキュメンテーションの作成には幼児や同僚保育者との対話や幼児が撮影した写真の活用が重要で、幼児の思いも含めた評価を推進する必要があると考えている。 そこで、幼児教育・保育における子どものICT活用を含む保育実践から評価までを見通したカリキュラム・マネジメントの視点に基づくICTによる支援システムを開発する。
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研究実績の概要 |
本年度は国内外の「保育ドキュメンテーション」に関する研究結果の整理と調査及びタブレットとパソコンを連携した保育支援システムの開発の2つの課題について以下の通り研究を遂行し、結果をまとめた。 「国内外の『保育ドキュメンテーション』に関する研究結果の整理と調査」では、日本の保育ドキュメンテーションのICT化について、現在までに文献だけではなく、実際にアプリを活用して保育ドキュメンテーションを作成している奈良県のこども園での視察を行い、活用について調査した。結果、ICT化による支援だけにとどまらず、保育ドキュメンテーション作成に必要な時間と場所の設定、保育者の役割分担についても工夫されていた。単純にICT化でアプリを導入するだけではなく、保育者の働き方そのものの見直しや、保育評価を行う時間・空間の捻出も必要であることが明らかになった。 また、日本の保育現場の保育評価の実際についての質問紙調査を実施するために、大阪でプレ質問紙調査を実施した。プレ質問紙調査では、(1)保育評価をどのように行っているか、(2)ICTが支援できることは何か、を尋ねた。その結果からは、保育ドキュメンテーションを作成している園は半数程度にとどまり、従来通りの記述を中心とした保育評価も大切にされていることが分かった。さらに、ICTの支援は特に必要としない、手描きで作成したいという意見も見られた。次年度以降は、この結果をもとに全国で行える質問紙調査を作成し、日本の保育ドキュメンテーション及び保育評価について検討する。 「タブレットとパソコンを連携した保育支援システムの開発」では、タブレットで撮影した短い動画の音声を音声認識し文字化するシステムの搭載に着手し、プロトタイプ版を完成させた。次年度以降、このプロトタイプ版を実際の園で撮影した動画で試用してもらい、その精度や活用について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
保育評価と保育ドキュメンテーションの作成に関する全国における質問紙調査を初年度に行う予定であったが、プレ調査の作成と実施に時間がかかり、プレ調査のみでとどまっている。また、海外の保育評価についての整理も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に立てた3つの課題に基づき、次年度以降の研究を推進する。 まず、「国内外の『保育ドキュメンテーション』に関する研究結果の整理と調査」については、プレ質問紙調査の結果をもとに全国で行える質問紙調査を作成・実施する。その結果をもとに日本の保育ドキュメンテーション及び保育評価について改めて検討する。 次に、「タブレットとパソコンを連携した保育支援システムの開発」では、保育現場で保育評価の一助となるように撮影した動画をもとに、音声認識システムを搭載したプロトタイプ版アプリを活用してもらい、その精度や具体的な活用方法について検討する。その他、使いづらい部分についての改修も同時に行う。 最後の「『幼児の視点』と『保育者どうしの対話』を重視した保育における『カリキュラム・マネジメント』の支援ツールとしてのICT活用及びシステム設計の視点の提案」については、上記2つの課題の結果をもとに最終年度に検討する。
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