研究課題/領域番号 |
23K02665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
渡辺 博芳 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (40240519)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 情報教育 / データサイエンス教育 / 高等学校教科情報 / カリキュラム開発 / 教育評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,現行の(平成30年告示の)学習指導要領の下で行う高等学校におけるデータサイエンス教育の有効なカリキュラム・教授法・評価法を明らかにする.高等学校の教科「情報」にデータサイエンス分野が新たに導入され,その教授法についてこれまでの蓄積が少ないため,本研究の意義がある.研究代表者と高等学校の教諭を務める研究協力者の2名で議論を行ってカリキュラム・教授法・評価法を開発し,研究協力者により高等学校で実際に授業を行って評価する.研究期間を通して,開発・実践・評価を繰り返して有効な方法を確立する.
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研究実績の概要 |
本研究は,現行の(平成30年告示の)学習指導要領の下で行う高等学校におけるデータサイエンス教育の有効なカリキュラム・教授法・評価法を明らかにすることを目的とし,高等学校教諭の研究協力者と共に検討を進めている. 2023年度は,まず2022年度までに高等学校において実践した「データの活用」の単元の授業実践についてポイントを整理した.その結果,PPDAC(Problem-Plan-Data-Analysis-Conclusion)の枠組みを採用し,PPDACの段階的な指導,動画教材の活用,3回の探究活動を取り入れたことにより,効果的な指導が行えたことがわかった.これらの成果について論文誌に投稿して採録された. また,単元間の連携についても検討を行った.2022年度に実践した授業では,データの活用分野での最後の探究活動として「統計ポスター」の制作に取り組ませた.この後,情報デザイン分野を学習する際に,「情報デザイン」の単元において再び統計ポスターを題材として同様なデータ活用による問題解決を行わせた.これによって,データ活用による問題解決を繰り返すことでデータ活用によって培われる思考力や表現力がより高まることが期待される.さらに,情報デザインを学ぶ前に一度体験した統計ポスターに,情報デザインに関する知識・技能を適用することで,情報デザインを意識しやすくなり,学習が促されることが期待される.これらの視点で分析した結果,データの活用に関する思考力の向上の点で効果が見られた.これらの成果については論文誌に投稿中である. 2023年度は研究協力者の高等学校におけるカリキュラム改定のために授業実践を行えなかった.そこで,上で述べた分析結果を基に授業改善を検討した.その結果に基づき,2024年度に授業実践を行う予定である.また,複数の高等学校での実践を想定した評価基準の検討も進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の計画では,まず,国内外のデータサイエンス教育に関する調査,高等学校の生徒の状況調査を行うこととなっていた.これらの点について,国内の研究発表会等に参加し,動向調査を行った.高等学校の生徒の状況については研究協力者が把握しており,情報共有を行った.一方で,国外の動向調査については十分にできていない.また,2022年度に開発した情報Iで実施するカリキュラムに基づく授業実践結果を分析し,カリキュラムの改善を行うこととなっていたが,これに関しては研究実績で述べたとおり,論文誌へ投稿できるまでの十分な成果をあげた.評価基準の検討についても,計画通り進んでいる.一方で,教科「情報」と他教科の連携に関しては検討ができなかったが,その分,教科「情報」の中の単元間の連携について検討が進んだ.以上のことから「おおむね順調に進展している」と考えている.
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今後の研究の推進方策 |
研究は概ね順調に進んでいるため,全体としては当初の計画通りに進める予定である.特に評価法の検討については,複数高等学校で複数の教員が活用できる授業計画とその学習成果についての評価基準について検討したい.また,教科間の連携よりも同じ科目内での単元間の連携の方に重点をおいて検討を進めたい.また,研究体制に卒業研究生も加え,高等学校での授業を支援するようなツールやシステムの開発についても検討したい.
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