研究課題/領域番号 |
23K02677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
懸田 孝一 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70281764)
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研究分担者 |
吉野 巌 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60312328)
浅村 亮彦 北海学園大学, 経営学部, 教授 (70301968)
宮崎 拓弥 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00372277)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | メタ認知 / 授業 / 学習指導力 / 深い学び / 学習指導 / 教員養成 |
研究開始時の研究の概要 |
子どもたちの深い学びを保証するために教員に求められる学習指導力は、学習にとって効果的な学習方略とメタ認知の働き、さらにそれらの重要性を教員自身が十分に理解した上でメタ認知を働かせて学習内容を教えられることだと考える。しかしながら、学習指導の際に効果的に働いているメタ認知についての実証的研究はなく、メタ認知の働きを考慮した学習指導力を養成するプログラムもない。本研究では、効果的な学習指導の際に働くメタ認知について明らかにし、その成果を活かした学習指導力を養成するプログラムを開発し、その効果検証を行う。
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研究実績の概要 |
子どもたちの深い学びを保証するために教員に求められる学習指導力は、学習にとって効果的な学習方略とメタ認知の働き、さらにそれらの重要性を教員自身が十分に理解した上でメタ認知を働かせて学習内容を教えられることだと考える。しかしながら、学習指導の際に効果的に働いているメタ認知についての実証的研究はなく、メタ認知の働きを考慮した学習指導力を養成するプログラムもない。本研究では、効果的な学習指導の際に働くメタ認知について明らかにし、その成果を活かした学習指導力を養成するプログラムを開発し、その効果検証を行う。 2023年度はまず効果的な学習指導の際に働くメタ認知について明らかにするために、教員経験年数10年以上の小中学校で勤務する現職教員4名にインタビュー調査を実施した。 まずインタビューの質問内容を検討し、質問項目を作成した。授業(授業前,授業中,授業後)で見られる教師の様々な行動には教師自身のメタ認知の働きが反映されていると推測できる。そこで、先行研究を参考にし、授業時の教師のメタ認知を反映している行動のカテゴリー(以下、メタ認知行動カテゴリーと呼ぶ)を決定した。そして、そのメタ認知行動カテゴリーに含まれる具体的な行動の内容や頻度について尋ねる16項目の質問(授業前7項目、例「授業計画を立てる場合、どのようなことを意識したり注意したりしていますか?」、授業中5項目、例「児童生徒のメタ認知を促進するためにどのような働きかけをしていますか?」、授業後4項目、例「授業の前に立てた目標が達成されたか,どのような視点で省察していますか?」)を作成した。 録音したインタビューをすべてテキストに変換し、メタ認知を反映すると考えられる発話とそれ以外の発話に分類した。メタ認知を反映すると分類した発話単位にコードを割り当て、授業前、授業中、授業後において働く、教師の効果的なメタ認知を見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は現職教員へのインタビューから、授業前、授業中、授業後において働く、教師の効果的なメタ認知を明らかにすることを目指していた。また、教師の効果的なメタ認知をある程度一般化した形で提案できるようにするために、当初の予定では、現職教員へのインタビューを10名程度に実施し、それらのデータを分析することを考えていた。しかしながら、実施人数は目標には到達せず、そのため、ある程度一般化した形での成果を報告するまでには至っていない。この原因として主に次の2点と捉えている。 ①現職教員へのインタビューであることから、当初想定していたよりも実施できる条件(時間等)の制約が大きく、実施人数を計画的に増やすことができなかった。 ②インタビューの音声データをテキストデータへ変換する作業(文字起こし)時間の見積もりが不十分であり、当初想定した作業時間よりかなり長い時間を費やすことになってしまった。 ①については、より計画的に調査依頼を行うことと、ポイントを把握したインタビューを行うことによって、今後、調査対象者を増やすことが可能となると考えている。 ②については、精度の高い文字起こしツールを使用できるようになったことによって、作業効率を大幅に上げることができるようになってきた。これによって、分析作業のペースを上げることが可能となると考えている。 当初予定していたインタビュー調査の実施が遅れ、これに伴い、効果的な学習指導時に働くメタ認知についても、一般化した形での成果を報告するには至らなかった。ただし、こうした遅れの原因を解決できる目処を2023年度内にたてることができ、年度末から現在にかけて研究のペースを上げながら継続できていることから、(3)やや遅れているという判断とすることとした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に引き続き、現職教員へのインタビューを行い、これまでのデータに加えて分析していくことによって、効果的な学習指導時に働くメタ認知についてより一般化した成果を提案することを目指す。ここまで対象とする教員は経験年数10年以上であることから、一定の学習指導力を有する教員を想定している。こうした教員に加えて、経験年数が少ない(例えば、1年から2年)や教員を目指す学生に対しても同じインタビュー調査を行い、比較することも考えている。 また、効果的なメタ認知を働かせている現職教員の授業の様子を観察することによって、自己報告であるインタビューデータを補完することも考えている。
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