| 研究課題/領域番号 |
23K02699
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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| 研究機関 | 釧路工業高等専門学校 |
研究代表者 |
土江田 織枝 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (10230723)
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| 研究分担者 |
山田 昌尚 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (40220404)
林 裕樹 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (60342440)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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| キーワード | VDT症候群予防 / 姿勢検出 / まばたき間隔 / MediaPipe / ユーザーフィードバック / VDT症候群 / まばたきの取得 / 姿勢の検出 |
| 研究開始時の研究の概要 |
VDT作業を適切な姿勢で行わないことや、休憩も取らずに継続的に使用すること、また、まばたきの減少などでVDT症候群が誘発される。これらは自分で気づくことで予防は可能であるが作業に夢中になると忘れがちとなる。本研究ではパソコンの作業中の顔から得られる情報を基に、適切なタイミングでそれらを「気づかせる」促しをすることで、VDT症候群を予防する「気づき」の習慣付けを支援するシステムを開発する。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、MediaPipeを用いて、パソコン作業中の姿勢やまばたきの状態を検出し、利用者が自身の身体状態に気づくきっかけを与えることで、VDT症候群の予防につなげるシステムの開発を進めている。近年、パソコンやスマートフォンなどの利用増加により、姿勢の乱れやまばたきの減少、ドライアイなどを引き起こすVDT症候群が問題視されており、利用者自身が早期に気づき、対処する支援が求められている。 本システムは、正しい姿勢を「背筋をまっすぐに保つ」「顔と画面の距離が40cm以上ある」「猫背にならない」という三つの条件で定義し、目頭間の距離や額・両肩の位置情報から姿勢を判定する機能を備えている。また、目の特徴点6か所の動きからまばたきを検出し、まばたき間隔を用いてまばたきの回数の減少を評価する処理も組み込んだ。これらの検出精度を高めるため、本年度は、評価実験を通じて位置情報の解析方法の見直しを行った。 小学生から70代までの被験者を対象に実施した評価では、「通知は頻繁にしっかり出してほしい」という声と、「通知が多いと煩わしくなる」という意見が見られた。また、音声通知より画面表示の方がわかりやすいという一方で、画面が隠れて作業に支障が出るとの懸念もあった。これらの結果から、通知の頻度や手法について、ユーザーの多様なニーズに対応する柔軟な設計が重要であると示唆された。 本研究の成果は、情報科学技術フォーラムおよび教育システム情報学会 全国大会で発表し、それぞれの場で専門的な意見をいただく機会を得た。また、「くしろエコ・フェア2024」では一般向けにも公開し、実用的な視点からのフィードバックを得た。今後は、通知設定のカスタマイズ機能の実装など、さらなるユーザー適応性の向上に向けた開発を進める予定である。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、VDT症候群の予防を目的に、パソコン作業中の姿勢やまばたきの状態を検出し、利用者に自身の身体状態への「気づき」を促すシステムの開発を進めている。改良は、評価実験を通じて段階的に行っており、ユーザーのフィードバックをもとに検出精度や通知方法の向上に取り組んでいる。姿勢の不適状態は、「背筋をまっすぐに保つ」「顔と画面の距離が40cm以上」「猫背にならない」という基準で定義し、額や両目目頭、両肩の位置情報から判定する。不適な場合には画面表示で通知を行い、この判定はおおむね正確に機能している。まばたきについても、目の特徴点を用い、まばたきの間隔が長すぎると判断された際に、適切なタイミングで注意を促す処理を実装している。 小学生から70代までを対象に評価実験を実施した結果、通知の頻度や方法に対する好みの違いが明らかとなり、個々のニーズに応じて柔軟に対応できる仕組みの必要性が示唆された。今後は通知内容のカスタマイズ性向上にも取り組む予定である。 研究成果は情報科学技術フォーラムおよび教育システム情報学会 全国大会で発表し、専門的な視点からの助言を得た。また、「くしろエコ・フェア2024」で一般公開し、実使用環境での有効性や課題について多様なフィードバックを得ることができた。今後も継続的に改善を重ね、より実用性の高い支援ツールを目指していく。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、通知の頻度や手法に対するユーザーの多様な反応に応じ、カスタマイズ可能な設定機能の実装を進める。たとえば、通知の強度や表示形式、タイミングを個人の好みに応じて調整できるようにし、実用性と受容性の両立を図る。また、通知内容の視認性やわかりやすさについても、ユーザーインターフェースの改善を重ねていく予定である。実施した評価実験の結果からは、通知が頻繁すぎるとストレスを感じ、システムそのものを使いたくなくなるという意見も見られた。このため、通知頻度については、利用者が快適にシステムを使用できる範囲で調整する必要があると考えている。これにより、日常的な利用においてストレスを感じさせず、自然な「気づき」の習慣化につながる支援が可能になると考えている。さらに、現時点では主に視覚情報に基づいた判定を行っているが、将来的には姿勢変化の傾向や作業時間の経過、ユーザーの作業特性など、時系列データを活用した予測的支援の実装も視野に入れている。加えて、通知に対する反応履歴を蓄積し、個々の利用者に合わせた支援内容へと動的に最適化していくことも検討している。評価対象については、年齢や利用環境をさらに多様化し、学校や職場、自宅など異なるシーンでの有効性や受容性を検証していく。これにより、システムがより多様な場面で活用される可能性を広げるとともに、課題の抽出や改善点の明確化につながると期待している。また、継続的なフィードバック収集を通して課題を洗い出し、改良サイクルを高速に回す体制を整えることで、より効果的なVDT症候群予防支援システムの構築を目指す。現時点では研究計画に大幅な変更はなく、今後も当初の研究目的に沿って着実に進展させていく予定である。
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