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結晶から可視化・実体化できる粒子顕微鏡:物質構造3Dデジタル教材の開発と実践

研究課題

研究課題/領域番号 23K02704
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09070:教育工学関連
研究機関宮城教育大学

研究代表者

笠井 香代子  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40282149)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード結晶 / 分子構造 / 3Dプリンタ / 3Dデジタルコンテンツ / X線結晶構造解析
研究開始時の研究の概要

原子の3次元的な位置や熱振動など、目に見えない粒子の本来の姿を顕微鏡のようにわかる最適な方法は、結晶のX線構造解析である。本研究では、結晶構造データより分子や結晶の構造を可視化・実体化した3Dデジタルコンテンツを作成し、分子の立体構造の回転・閲覧や3Dプリンティングができる物質構造ライブラリに集約した粒子顕微鏡を開発する。これは分子や結晶のモデルの3Dデータ(STLファイルなど)を、どの端末でもwebブラウザ上で閲覧でき、さらに3Dプリンティングで造形して直接手元で物質の構造を観察できる。この教材の普及により眼に見えない粒子のイメージを明確に形成でき、化学への理解が深まり化学嫌いを克服できる。

研究実績の概要

原子の3次元的な位置や熱振動の様子など、目に見えない粒子の本来の姿を顕微鏡のようにわかる最適な方法は、結晶のX線構造解析である。 本研究の目的は、結晶構造データを入手・作成し、このデータから物質構造3Dデジタル教材を開発し、どのICT端末でも、分子の立体構造の回転・閲覧や3Dプリンティングができる物質構造ライブラリに集約した粒子顕微鏡を、実践授業で教材の有効性を明らかにして、教員研修などで教材の普及を図ることである。
この粒子顕微鏡では、分子や結晶のモデルの3Dデータ(STLファイルなど)を、どの端末でもwebブラウザ上で回転させて閲覧できる。これらの3Dデータは3Dプリンティングできるようにもしてあり、結晶や分子のモデルを3Dプリンタで造形して直接手元で観察できる。この粒子顕微鏡を学校教育現場で使用すれば、眼に見えない粒子のイメージを明確に形成でき、化学への理解が深まり化学嫌いを克服できると期待される。
2023年は基盤研究と教材研究として以下を実施した。(a)結晶のX線構造解析を行い、粒子の熱振動の様子がわかるように、低温(-160°C付近)から室温の間で何箇所か測定した。液体は細孔性錯体結晶に取り込ませた。(b)結晶構造DBや3D CADソフト(Blenderなど)での3Dモデリングによ結晶構造りデータを作成した。(c) 結晶構造データ(テキストファイル)を可視化・実体化した3Dデータを作成し、webブラウザでの閲覧・回転や3Dプリンティングできる結晶構造3Dデジタル教材を開発した。(d)教材の一部は中等教育学校および中学校での実践活動に使用し、物質への理解度を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年は結晶構造データの収集、webブラウザ上で公表する構造ライブラリに掲載する各種コンテンツの作成、webページの作成、教材実践を目指した教材開発を実施する予定であった。webページの作成と公表については遅れているが、2024年以降に予定していた教材実践に関しては、中等教育学校・中学校・大学の3箇所で実施することができた。全体としておおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

【年次計画】2024年の教材研究として、結晶構造データを可視化・実体化した3Dデータ(STLなど)を作成し、webブラウザでの閲覧・回転や3Dプリンティングができる結晶構造3Dデジタル教材を継続して開発する。これらを物質構造ライブラリに掲載し、質と量の拡充を図る。掲載物質数は合計250種類(100種類の追加)を目指す。 2024年後半-2025年の実践研究では、現職教員や教職大学院生等の研究協力者が高校生、代表者が大学生を主な対象として授業実践を実施し、テストやアンケート調査により教材の有効性を明らかにするとともに教材の改善を行う。大学生への実践は、化学への理解度が高校生と差が少ない学部1,2年生を対象とする。調査項目は、化学に対する興味関心、理解度や印象(好悪)の変化、教材の使いやすさなどである。
2025年の発展研究では教員研修を実施し、学校教員が授業や探究活動、課外活動などで使用できるように教材を普及させる。アンケート調査により指導者側の観点から教材の評価を行い、教材に反映させる。学会等での成果発表でも教材の普及を図る。
【研究体制】学内の研究協力者として、代表者の研究室の学部学生や大学院生を予定している。現職教員の研究協力者は当研究室に所属していた経歴があり、本研究に関してすでに実績を挙げている。学内の協力研究者である大学院生も、本研究の先行研究をすでに主体的に遂行し実績を挙げている。代表者と協力者とは本研究についての打合せを数回行っている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 中学校2年理科におけるデジタル端末と3Dプリンタ教材を用いた授業実践2024

    • 著者名/発表者名
      反畑 爽、笠井 香代子、進藤 勇作
    • 雑誌名

      日本科学教育学会研究会研究報告

      巻: 38 号: 3 ページ: 57-62

    • DOI

      10.14935/jsser.38.3_57

    • ISSN
      1882-4684
    • 年月日
      2024-03-09
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 3Dプリンターを用いた分子模型教材の開発と授業実践 X線結晶構造解析データによる炭素間結合の比較2024

    • 著者名/発表者名
      安蘇 幸輝、笠井 香代子
    • 雑誌名

      日本理科教育学会 全国大会発表論文集

      巻: 22 ページ: 21-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 3D プリンターを用いた分子模型教材の開発と授業実践 リモネンの鏡像異性による3次元構造の理解2024

    • 著者名/発表者名
      三浦 多加良、笠井 香代子
    • 雑誌名

      日本理科教育学会 全国大会発表論文集

      巻: 22 ページ: 22-22

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 中学校2年理科におけるデジタル端末と3Dプリンタ教材を用いた授業実践2024

    • 著者名/発表者名
      反畑 爽、笠井 香代子、進藤 勇作
    • 学会等名
      日本科学教育学会2023年度第3回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 3Dプリンターを用いた分子模型教材の開発と授業実践 X線結晶構造解析データによる炭素間結合の比較2024

    • 著者名/発表者名
      安蘇 幸輝、笠井 香代子
    • 学会等名
      日本理科教育学会オンライン全国大会2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 3D プリンターを用いた分子模型教材の開発と授業実践 リモネンの鏡像異性による3次元構造の理解2024

    • 著者名/発表者名
      三浦 多加良、笠井 香代子
    • 学会等名
      日本理科教育学会オンライン全国大会2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] よくわかる化合物命名法: IUPAC勧告(無機2005, 有機2013)準拠2024

    • 著者名/発表者名
      荻野博、笠井香代子、柘植清志
    • 総ページ数
      146
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621309063
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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