研究課題/領域番号 |
23K02732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
張 興国 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60780492)
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研究分担者 |
ポンサトーン ラクシンチャラーンサク 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30397012)
SHEN Xun 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (90823378)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 運転教育 / 仮想現実 / 事故防止 / 歩行者教育 / VR / 道路横断 / 注視行動 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化社会が急速に進む日本にとって、高齢者が横断時に発生する重大な人身事故の抑制が重要な問題になる。本研究では、視線計測機能付きの仮想現実ヘッドマウントディスプレイ(HMD)型歩行シミュレータを用いて、歩行者の行動特性解析装置を構築する。HMDに歩行者視点の横断時の映像を提示しした時の、潜在的な危険個所に対する被験者の注視行動及び回避行動から、個別適合型高齢歩行者の飛び出しエージェントモデルを構築し、歩行者の横断行動を予測する。さらに、どのような条件が歩行者の危険な飛び出しを誘発しやすいか自動分析する機能を開発し、より効果的な訓練方法を明らかにすることで、高齢歩行者の認知特性の向上を図る。
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研究実績の概要 |
本研究では、歩行者を対象に、仮想現実技術(VR)を利用して、道路横断時に接近車両の速度や距離を正しく認識する能力を高める歩行者横断教育システムを開発することを目的としている。 令和5年度では、歩行者の危険な飛び出しの行動を解析するために、車速の認識、車道横断時の可否判断やその判断が正しいかを調査した。また、歩行者の行動モデル化に際して、横断時のデータだけでは不十分という結論に至り、道路沿いの歩行行動も含めて分析した。特に障害物を追い越す場面を想定し、シナリオも構築した。 具体的には、Oculus Quest 2を使用したヘッドマウントディスプレイを用いて仮想空間を投影し、KATWALK mini Sを使用して仮想空間内で歩行を行った。このシステムでは、身体を背中のハーネスに固定し、足元のセンサーで足の動きを感知して自由に移動できるようにした。実際のシチュエーションは住宅街でのセンターラインのない道路を想定し、被験者は車に注意しながら障害物を追い越す行動を行った。データとしては、移動軌跡、歩行速度、体の向き、ヘッドマウントディスプレイの向き、歩車間距離、障害物との距離を測定した。被験者は12人で、それぞれ18回歩行した。 令和6年度では、これらのデータを基に歩行者のモデル化を行い、ARグラスなどのウェアラブル型デバイスを使用した事故予防策を検討する。また、ウェアラブル型デバイスを仮想空間内に構築し、実験を行っていく予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、VR歩行者横断システム及び走行データの計測の機能の開発は当初の計画通りに進展している。来年度はこれらのデータを基に歩行者のモデル化を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度では、リスク予測型歩行者横断支援システムを最適化するために、個別適合型歩行者モデルの設計を行う。具体的には、Hidden Markov Model (HMM) を使用して歩行者の歩行状態を推定し、Self-organizing Map (SOM) を用いて視線行動モデルを作成する。 そして、被験者実験により得られた結果を説明変数として、歩行者が車に先行して横断する確率を算出するモデルを、ロジスティック回帰を用いて構築する。 令和6年度後半では、設計された個別適合型歩行者モデルを活用し、高齢者の認知特性を計測・分析し、訓練効果を検証する。歩行者教育システムを使用し、被験者が危険源を察知してからの視線行動と反応時間を計測する。
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