研究課題/領域番号 |
23K02753
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
袰岩 晶 国立教育政策研究所, 教育データサイエンスセンター, 総括研究官 (00626210)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 大規模教育調査 / 教育調査法 / 学力調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大規模学力調査において、大問単位や問題群単位で問題フォームを組む際に、それらが配置される順番、すなわち出題順に注目し、それが「調査問題の項目パラメータ」や「測定される母集団の特性」にどのような影響を与えているのかを学力調査のデータを用いて検証する。また併せて、大問単位、問題群単位の出題を行う場合の等化誤差の推定方法も検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、学力調査において調査問題の出題順(問題冊子上のに配置される順番)が調査結果に与える影響を検証することであり、2023年度は、出題順が調査問題の正答率に与える影響と項目パラメータ(項目反応理論を用いて推定される問題の困難度と識別力)に与える影響を調べた。前者の正答率への影響については、当初予定していたPISA2012年調査(紙を用いた筆記型調査)のデータとともに、当初予定していなかったPISA2015年調査(コンピュータ使用型調査)のデータも使い、以下の点を明らかにした。 1)日本の高校1年生について、全181問の正答率の変化は、約30分経過後で平均-3ポイント、約1時間30分経過後で平均-7ポイントであった。 2)PISAの参加国・地域の中でも、日本は比較的、出題順の負の影響が大きかった。 3)筆記型調査とコンピュータ使用型調査を比較すると、コンピュータ使用型調査では出題順が遅いときに正答率が上がる問題が筆記型調査よりも多く、出題順の負の影響が平均的に小さくなっていたが、影響のばらつきが問題間で大きくなっていた。 後者の項目パラメータへの影響については、PISA2012年調査の数学的リテラシーの問題に対し、問題冊子ごとに項目パラメータを推定するだけでなく、問題順が異なる場合に別の問題として扱った加工データを作成して推定する分析も行い、出題順によって項目パラメータがどのように変化するのかを明らかにした。この分析は日本の受検者のみで行ったが、他の参加国・地域でも同様の検証を続ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は調査問題の冊子組みが「釣合い型不完備ブロックデザイン」になっているPISA2012年調査のデータのみを使う予定であったが、筆記型調査とコンピュータ使用型調査の違いを調べるためにPISA2015年調査のデータも使用し、分析作業の量が大きくなった。そのため若干スケジュールが遅れ、出題順の正答率への影響に関する検証は2023年末近くまでかかってしまった。しかし、出題順の項目パラメータへの影響に関する検証については、日本の数学的リテラシーの調査問題という限定的な範囲ではあるが、当初の予定通りの検証を年度末までに行うことができた。よって、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の前半は、前年度から続いている出題順の項目パラメータへの影響に関する検証を日本以外のPISA調査参加国・地域に広げて分析を進める。後半は、当初予定していた調査問題の出題順が受検者の能力推定、母集団特性(平均や標準偏差)の推定に与える影響を検証する。
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