研究課題/領域番号 |
23K02782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
伊藤 朋子 山形大学, 地域教育文化学部, 客員研究員 (20975122)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 連言錯誤 / ランダム系列の誤認知 / 認知的バイアス / 発達的研究 / 基準率無視 / サンプルサイズの無視 / 発達段階 / 確率推論 / 認知発達 / 二重過程理論 / 単一認知システム / 確率教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,幼児から大学生に基準率無視,連言錯誤,ランダム系列の誤認知,サンプルサイズの無視などの認知的バイアスが出現する4種の課題を一括して出題する発達的研究を行う。これにより,認知的バイアスは子どもにも出現するのか,課題に出現する推論様式はいずれの発達段階に見られる推論様式であるのかを明らかにし,従来の二重過程理論ではなく,単一認知システム理論に基づく推論様式の説明を試みる。これらの課題を一括して出題する発達的研究はこれまで行われていない。本研究の実施により,発達段階を考慮した確率教育に対する提言も期待される。
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研究実績の概要 |
基準率無視,連言錯誤,ランダム系列の誤認知,サンプルサイズの無視等の認知的バイアスが出現する課題を幼児から大人に一括して出題する発達的研究はこれまでに行われていない。本研究では,幼児から大学生にこれらの認知的バイアスが出現する確率課題を出題し,推論様式を分析する発達的研究を行う。これにより,①認知的バイアスは子どもにも出現するのか,②各課題に出現する推論様式は,いずれの発達段階にみられる推論様式であるのか,を明らかにする。 本年度は,過去に作成した小学生にとっても内容が理解できる連言錯誤課題(伊藤, 2014, 2023)を幼児にとっても内容が理解できる課題に改訂したうえで,幼児(年中児),小学2年生,小学5年生を対象に調査を実施した。具体的には,連言錯誤,ランダム系列の誤認知等に関する確率課題を個別面接形式で出題する調査を大学の実験室で実施した。保護者の方には,対象児の生年月日等に関する調査票に回答いただいた。実施人数は,年中児25名,小学2年生27名,小学5年生7名の計59名であった。年中児,小学2年生が多く,小学5年生が少なかった理由は,幼稚園・保育所・認定こども園・子育て支援センター等で配布されている子育て情報誌等で調査参加者を募集したためである。 本格的な分析は,十分なサンプル数を得てからになるが,全体的傾向として,年中児は,連言錯誤課題に対して確率に基づく判断をしていない可能性が示唆された。ランダム系列の誤認知は,年中児にも出現する可能性が示唆された。連言錯誤,ランダム系列の誤認知は,小学2年生に出現する可能性が示唆された。小学5年生に関しては,サンプル数が少ないため,現時点で傾向を述べることはできない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年中児,小学2年生に関して,目標人数のおおむね半数程度まで調査を実施することができた。幼児に個別面接形式で確率課題を出題する際の注意点も明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査を,幼児(年中児),小学2年生,小学5年生を対象に引き続き実施する。ただし,小学5年生に関しては,調査参加者の募集方法を再検討する必要がある。 また,確率に基づく判断が難しいことが示唆された幼児に対して,基準率無視課題,サンプルサイズの無視課題等をどのように出題していくか検討する。 加えて,中学生,大学生を対象とした調査,データの分析を実施する。
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