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河川流域を基盤とした探究型STEAM教材の開発及び実践的検証

研究課題

研究課題/領域番号 23K02788
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関愛知教育大学

研究代表者

大鹿 聖公  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50263653)

研究分担者 向 平和  愛媛大学, 教育学部, 教授 (20583800)
佐藤 崇之  弘前大学, 教育学部, 准教授 (40403597)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード河川教育 / 水環境 / 自然災害 / 探究プログラム / STEAM教材 / STEAM / 探究
研究開始時の研究の概要

本研究は,児童・生徒にとって身近な水環境である「河川流域」を題材に,探究的な資質・能力の育成を図る探究型STEAM教材の開発を行い,教材の効果について実践検証することである。
教材の具体として,現在,多く取り組まれている防災に関する領域だけでなく,水環境の理解,水の利活用,生物多様性といった様々な諸領域について取り上げ,教材化をはかることで,より深い理解を導く教材の開発を目指す。この教材の開発を通して,地域課題を解決する探究力の育成,STEAM教育による各種コンピテンシーの育成をはかるものである。

研究実績の概要

本研究は,児童・生徒にとって身近な水環境である「河川流域」を題材に,河川や水環境に関わる探究的な資質・能力の育成を図る探究型STEAM教材の開発を行い,教材の効果について実践検証することである。
本年は、研究1年目として、主に以下の3点について研究を進めた。
①河川・水環境に関わる実態調査:河川教育の実態解明を図る目的で、河川教育について主に学習する対象である小・中学生、加えて、河川教育の実践者となるべき教員養成課程の大学生を対象に、河川・水環境についての実態調査を行った。本調査結果から、河川に関する基礎知識は、主に小学校段階で育成されること、河川についての認識は地域によって異なること、自然災害に関わる理解が不十分であることなどである。これらの結果を踏まえて、本研究で開発を目指す教材の方針を明らかにすることができた。
②河川・水環境に関わる教材の開発:河川やそれらを原因とする自然災害に関する理解を深めるための教材の開発を行った。教材の具体として、河川流域における岩石の浸食・運搬・堆積の仕組みを理解させる教材ならびに、豪雨発生時の河川流域の河川の氾濫状況を理解させる教材、河口部における干潟の理解とその役割について理解させる教材などである。これらの教材により、河川の構造理解や災害についての理解促進を図ることができた。
③STEM教材の分析:小・中学校段階における、STEM/STEAM教材の分析を行った。これらの分析により、教材の特性や分野・領域についての偏りなどが明らかとなった。また、これらの教材の利用による育成される資質・能力について、明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、研究初年度ということもあり、研究に関する情報収集や資料分析を中心に研究を進めている。研究分担者と共同で、国内における実態調査を行い、それらの分析から河川教育を推進するための必要な情報収集や結果の考察を行うことができた。これらの結果は、2年目以降に開発を進める教材の方向性を決めるものとして、有効な示唆となった。
STEM/STEAM教材の分析については、国内での事例を中心に進めているところであるが、海外での事例や研究について、さらに収集し、教材の効果や育成されるべき資質・能力について明らかにしていく必要がある。また、紙面情報だけでは不十分なものについては、今後、現地調査などを行うことで、具体的に研究を進めていく必要がある。
本研究の中心課題である教材について、1年目として河川に関わる教材開発を行うことができ、理科の学習に有効であることが明らかとなった。しかしながら、まだ教材の内容が表面的であるため、今後の改良、修正が必要である。

今後の研究の推進方策

昨年実施した基礎調査に加え、昨今、課題となっている気象を原因とする水災害などを含めた現状調査について実施を行う。この調査結果と昨年の調査結果を踏まえて、開発する教材やプログラムにおいて、児童・生徒が探究すべき事項をより具体的に明らかにすることができるものと思われる。
また、分析を進める既存のSTEM/STEAM教材をさらに情報収集や検討について、実地調査などを行うことで、教材やプログラムにより育成される資質・能力の焦点化を図っていく。このため、国内および海外において具体的にSTEM/STEAMを展開する学校や研究機関への訪問調査を行う予定である。
本研究の中心であるSTEAM教材・STEAMプログラムの開発を進めていく。1年目で開発した教材を基盤として、発展・改良すると同時に、新たな視点での教材開発を進めていく予定である。これらについては、開発でき次第、学校現場などでの試行実践を行い、教材としての有効性やプログラム開発のための基礎データ収集を行う。現在、河川の構造や理解を中心とした教材となっており、それらを踏まえ、児童・生徒が探究的に課題を明らかにすることができる素材やテーマの発掘が必要となっているため、この点について、研究をさらに掘り下げていく予定である。
また、国内外における各種プログラムについての開発状況や実施状況についても、適宜現地取材などを通して、明らかにする予定である。教育機関だけでなく、社会教育施設や環境省、国土交通省が所管する施設なども視野に入れて実施予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (23件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (16件)

  • [雑誌論文] 小学校理科「メダカの誕生」におけるSTEM教材の開発―創造性と協働を促す授業実践―2024

    • 著者名/発表者名
      片岡千春・大鹿, 聖公
    • 雑誌名

      愛知教育大学研究報告教育科学編

      巻: 73 ページ: 132-138

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 水族館との教育連携を促進するための基礎研究―水族館と教員を対象とした教育連携に関する実態調査―2024

    • 著者名/発表者名
      古川恵里・大鹿聖公
    • 雑誌名

      愛知教育大学教職キャリアセンター紀要

      巻: 9 ページ: 69-76

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] STEAM教育の実践事例の類型からの分析-韓国科学創意財団の集積した生物授業の実践事例から-2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤崇之
    • 雑誌名

      弘前大学教育学部紀要

      巻: 131 ページ: 45-51

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Using a Digital Game to Provide Experiential Learning for Improved Understanding and ESD Skills in Science.2024

    • 著者名/発表者名
      Dick MWERA・Heiwa MUKO
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部附属科学教育研究センター紀要

      巻: 3 ページ: 105-114

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ESDの担い手を相互ネットワークで繋げる脱中心化アプローチ2024

    • 著者名/発表者名
      富田英司・竹下浩子・藤原一弘・向平和・井上昌善
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部附属科学教育研究センター紀要

      巻: 3 ページ: 3-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 主体的な探究活動の実現に向けた自作教材を使った授業実践2024

    • 著者名/発表者名
      稲垣佑・古和田丈人・野間田祐仁・中村千紗・藤原駿・矢野駿介・向平和
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部附属科学教育研究センター紀要

      巻: 3 ページ: 41-49

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 主体的な探究活動の実現に向けた教材開発2024

    • 著者名/発表者名
      稲垣佑・古和田丈人・野間田祐仁・中村千紗・藤原駿・矢野駿介・向平和
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部附属科学教育研究センター紀要

      巻: 3 ページ: 31-40

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生態系内の物質の循環に関する理解を促すシミュレーション活動の導入―炭素と水の循環に焦点を当てた授業実践―2024

    • 著者名/発表者名
      川瀬貴恵・大鹿聖公
    • 学会等名
      日本生物教育学会第108回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 塩川干潟と葦毛湿原における生態系の理解と保全意識を高めるための教材開発2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤舞香・大鹿聖公
    • 学会等名
      日本生物教育学会第108回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 韓国のSTEAM教育に関する実践事例における類型に着目した分析-韓国科学創意財団の集積した生物授業の実践事例を中心に-2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤崇之
    • 学会等名
      日本生物教育学会第108回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 愛知県における生物多様性を育むための教材開発-各種ステークホルダーとの連携による協働取組から-2023

    • 著者名/発表者名
      大鹿聖公・小林遼香・小島涼加
    • 学会等名
      第73回日本理科教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 教科横断的な教育課程の構築に向けた試験的実践~理科と社会科の連携を高めた防災教育の実施を通して~2023

    • 著者名/発表者名
      古市博之・酒井俊輔・大鹿聖公
    • 学会等名
      第73回日本理科教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 藤前干潟における生態系を学校で学ぶための教材の開発と実践2023

    • 著者名/発表者名
      小林遼香・大鹿聖公
    • 学会等名
      第73回日本理科教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 河川・水環境に関する理解の認識についてー小学生・中学生・大学生を対象としたアンケート調脊から一2023

    • 著者名/発表者名
      大鹿聖公・大鹿居依
    • 学会等名
      第73回日本理科教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 洪水が起こる仕組みの理解を促す体験教材の活用-環境教育プログラム『プロジェクトWET 』を用いた授業実践-2023

    • 著者名/発表者名
      小林遼香・大鹿聖公
    • 学会等名
      日本理科教育学会第68回東海支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 氾濫の基礎的な理解と防災意識向上のための庄内川模型教材の開発2023

    • 著者名/発表者名
      木村祐貴・大鹿聖公
    • 学会等名
      日本理科教育学会第68回東海支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 中学校理科の有用性が実感できる教材の開発-減災と理科をつなぐ「減災エンスカード」の開発と授業実践結果2023

    • 著者名/発表者名
      中原一輝・大鹿聖公
    • 学会等名
      日本理科教育学会第68回東海支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 教科横断的な教育課程の構築に向けた課題-理科と社会科の教科書の比較を通して2023

    • 著者名/発表者名
      古市博之・大鹿聖公
    • 学会等名
      日本理科教育学会第68回東海支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 技術科との連携をめざした理科教育の考案2023

    • 著者名/発表者名
      唐井瞭,佐藤崇之
    • 学会等名
      日本理科教育学会第62回東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 理科授業において日常生活と関わる課題を用いる効果2023

    • 著者名/発表者名
      瓜生太知,佐藤崇之,甲田隆
    • 学会等名
      日本理科教育学会第62回東北支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 理科教育における社会教育施設の活用に関する実践的研究3博学連携の新たな展開と深化に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      向平和
    • 学会等名
      第73回日本理科教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ペットボトルハイブリッドロケットを活用したSTEAM教材の開発2023

    • 著者名/発表者名
      須田龍弥・岑永寛汰・中原真也・向平和
    • 学会等名
      第73回日本理科教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 博学連携の新展開の提案 ノンフォーマル科学教育・教員養成・教員研修への活用について2023

    • 著者名/発表者名
      向平和
    • 学会等名
      第73回日本理科教育学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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