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原爆前後の写真と米軍による航空写真を用いた平和教育のためのクラウドサービス構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K02791
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関長崎大学

研究代表者

全 炳徳  長崎大学, 情報データ科学部, 教授 (10264201)

研究分担者 渡邉 英徳  東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (00514085)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード平和教育 / 長崎原爆 / クラウドサービス / デジタルアーカイブ / デジタルコンテンツ
研究開始時の研究の概要

近年のWeb環境の進歩は目覚ましいものがある。デジタルコンテンツの活用は新世代でますます進むことが予想される。本研究でのデジタルアースシステムの活用はこれらの環境変化に対応するものであり,クラウドサービスの導入は滑らかなサービスのためのもので,時空間を超えた「新しい時代の平和学習のスキーム」として確立できる可能性がある。これらの最先端の技術導入は海外での実践によりその可能性を確認する予定である。

研究実績の概要

日本では戦後79年を迎えており,統計上,2021年3月時点での戦争の記憶と具体的な感性を持つヒバクシャの平均年齢は83.94歳である。実際の戦争経験者は数少なくなり,戦争の記憶と具体的な感性より抽象的な思考が力を得つつある。人々は戦争を「善意と善意の戦い」であると考えており,お互いに自分たちの行動が善意だと主張する「抽象的な思考の主張」が昨今のウクライナやイスラエル・ガザ地区での戦争からも垣間見える。
ヒバクシャたちによる「具体的な感性を伴う講話や被爆証言による活動」が弱まりつつある今,抽象的な思考に優っていた今までの戦争に対する構図が崩れつつある。本研究では戦争のありのままを記録し残した「原爆前後の写真」から戦争時の具体的な感性の記憶を解凍し,「米軍の航空写真」から具体的な感性の背景となった地表情報を復元するデジタルアーカイブズを構築,デジタルアースシステム上に平和・教育活動の新たな「平和教育の場」を創出するものである。
今回の研究により実施予定の「新世代のバーチャルジェネレーションにふさわしい新しい平和学習コンテンツとサービス」はシステム開発やクラウドサービスにとどまらず,学校現場にて継続的に実践を予定する必要がある。特に,小学校では低学年と高学年に分けて実践を予定しており,海外(アメリカ)でも実践を予定している。海外の場合は米国の法律の事情から高学年のみの実践となる可能性が高い。
今後の研究内容として,特に米国人の感覚から見る日本の原爆と平和への概念を浮き彫りにしたいと考えている。これらの研究を実施するためには実践・学習をアメリカで行う必要がある。そのため,事前打ち合わせのためアメリカ・シカゴの学校をベンチマークしており,事前踏査も2023年度に終了している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の背景は2010年度からの科研により開発されたデジタルコンテンツにより,日米の小学生を対象に平和学習が実施されたことにある。長崎県内では小学校を中心とした授業実践が行われるようになり(長崎の小学校2校,長崎の中学校1校など),海外ではニューヨークの日本人学校を対象に実践が行われて(ニューヨークの小中学校1校),その効果等が確認された。
更に,上記の研究の続きとしての2017年度からはオフライン上での3Dコンテンツがと平和教育のスキームが完成された。残念ながら,コロナのため2020年度から2022年度までの科研の海外実践は国内実践に替えて縮小して行われた。これを受けて,オフラインコンテンツのオンライン化が発案され,Web先端技術による実現を目指すようになった。
今回の研究により実施予定の「新世代のバーチャルジェネレーションにふさわしい新しい平和学習コンテンツとサービス」はオンライン時代に相応しいシステム開発や円滑なクラウドサービスの遂行を目的としている。そのため,Web環境でのタイル型画像データの構築が実施されており,実験結果から概ね良好の結果を得た。更に,これらのコンテンツを用いた学校現場にて継続的に実践を予定する必要があることから,国内外での実践計画や現地校との相談も実施した。実践内容としては,小学校の低学年と高学年に分けて実践を予定しており,海外(アメリカ)での場合は米国の法律の事情から高学年のみの実践を考えている。
これまでの準備でシステム開発や実践校との打ち合わせが順調に進んでおり,次年度以降の研究計画や研究の進捗に期待をしている。

今後の研究の推進方策

本研究の大きな柱は「原爆写真のクラウドシステムの構築」と「実践による構築システムの検証」にある。今まで,原爆当時の被害を物語る役割を果たしてきた写真情報はWebクラウドシステム化により戦争の被害を具体的な感性を持ったままネット上に伝える力が発揮できる。被災地の航空写真を用いたデジタル化された画像による原爆前後の観察は時空間的なリズム感を表現する有用な手段である。また,戦争を物語る被爆写真や関連写真などはヒバクシャたちの語り部の代わりになり得る重要な資料である。更には,次世代のための平和・教育活動の新しい教材として利用価値が高い。
情報システムを取り巻く近年のWeb環境の進歩は目覚ましいものがある。デジタルコンテンツの活用は新世代でますます進むことが予想される。本研究でのデジタルアースシステムの活用はこれらの環境変化に対応するものであり,クラウドサービスの導入はWeb上での滑らかなサービスのためのもので,時空間を超えた「新しい時代の平和学習のスキーム」として確立できる可能性が高い。これらの最先端の技術導入は海外の学校を取り巻く実践によりその可能性を確認することができる。
今後の研究内容として,システムの補完を継続しつつ,国内のみならず米国人の感覚から見る日本の原爆と平和への概念を浮き彫りにしたいと考えている。これらの研究を実施するためには実践・学習を国内やアメリカで行う必要がある。そのため,事前打ち合わせを国内と海外(アメリカ・シカゴ)の学校をベンチマークし行っており,事前踏査も2023年度に終了している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] [B24] 長崎の原爆を前後にして米軍が記録した航空写真の画像処理 (その2)2023

    • 著者名/発表者名
      全 炳徳
    • 雑誌名

      デジタルアーカイブ学会誌

      巻: 7 号: s2 ページ: s126-s129

    • DOI

      10.24506/jsda.7.s2_s126

    • ISSN
      2432-9762, 2432-9770
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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